2001 Fiscal Year Annual Research Report
多対多型マルチキャスト通信のためのエージェント技術を用いた自律的経路制御方式
Project/Area Number |
13750346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40304018)
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Keywords | マルチキャスト / 経路制御 / エージェント / 多対多通信 / Dijkstraのアルゴリズム / Fallback+ / マルチメディアサービス / QoS保証 |
Research Abstract |
本研究では,多対多型マルチキャスト通信のための自律的経路制御方式の確立に向けて,まず,多対多通信への適用を考慮した1対多型マルチキャスト通信経路の生成法を提案した.これは,Dijkstraのアルゴリズムを拡張し,あるQoS指標に関して最適な経路を生成する過程で生成される暫定経路を保存しておくことで,計算量を増大させることなく迂回経路を準備するものである.このアルゴリズムは,単独でも従来方式と比較して10%程度のトラヒック量削減を実現するが,以下に示すように,多対多通信に適用することで更にその効果を発揮する. 次に,このアルゴリズムをエージェントが自律的に実行し,更に協調してトラヒックの集中を回避するように経路を修正する提案制御方式の定量的な性能特性評価を行った.その結果,1.提案方式によって,負荷の集中するリンク数を10〜60%削減できる,2.トラヒックの分散が必要と判断する閾値を小さく設定した方が,提案手法によって得られる効果が大きい,3.エージェント間協調による経路修正の回数については,1回で十分な効果が得られ,2回以上試行しても大きな改善は得られない,もしくは逆効果となる,4.従来の経路分散方式では負荷集中を回避する一方で,全体としてのトラヒック総量が10%以上増加する問題点があったが,提案手法ではこれを1%程度に抑えている,5.提案方式の処理時間はユニキャスト経路生成に要する時間とほぼ同等である,ということが分かった.特に,1・4・5の結果は大規模ネットワークでの利用を考えた際に非常に有用であると言える. 更に,提案方式を実装する足掛かりとして,エージェント間通信プラットフォームをJava言語を用いて構築した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 神原正義, 谷岡秀昭, 木下和彦, 村上孝三: "マルチキャスト通信における複数のQoS要求を考慮したルーチング方式"電子情報通信学会技術研究報告. NS2001-182. (2001)
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[Publications] K.Kinoshita, H.Tode, K.Murakami: "Future Personalized Multimedia Communication Network Composed of Optical CDM Switching and Cooperative Network Maps"IASTED AIC2001. 172-177 (2001)
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[Publications] H.Tokumaru, K.Kinoshita, N.Yamai, K.murakami: "A Fast and Efficient Dynamic Routing for Inter-Agent Communications"International Conferences on Info-tech & Info-net. Conference D. 73-78 (2001)
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[Publications] H.Tanioka, K.Kinoshita, K.Murakami: "Multipoint-to-Multipoint Routing for Multimedia Communication Service"IEEE ICC2002. (2002)
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[Publications] M.Kanbara, K.Kinoshita, K.Murakami: "A Multicast Routing Algorithm for Multiple QoS Requirements"INC2002. (2002)
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[Publications] 細川晃, 木下和彦, 山井成良, 村上孝三: "端末の移動を考慮したユーザ/エージェント間通信方式"2002年電子情報通信学会総合大会. B. (2002)