2001 Fiscal Year Annual Research Report
蓄積型ネットワークにおける待ち行列制御・経路制御の研究
Project/Area Number |
13750364
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
辻岡 哲夫 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40326252)
|
Keywords | 蓄積型ネットワーク / 締め切り時刻(Deadline) / 優先待ち行列制御 / 適応型マルチパスルーティング / コンテンツ配信 / EDD(Earliest Due Date) / EDF(Earliest Deadline First) / End-to-End遅延 |
Research Abstract |
本研究では、インターネットにおける通信品質の改善のために、時間指定の宅配便サービスのように、ある締め切り時刻までに相手先にデータが届けばよいという尺度に基づいたQoS(Quality of Service)の実現方法について検討した。従来の通信フロー制御にもとづく帯域確保や優先度割当ては、通信速度の高速化にともなって何も制御を行わない場合であっても十分な通信品質が得られるようになり、相対的にその必要性が低下するといった問題があった。そこで、帯域(通信速度)という尺度ではなく、締め切り時刻という絶対的な尺度にもとづいたQoSについて検討した。 平成13年度は、締め切り時刻にもとづいた計画的なパケット配信を行うためにネットワーク内に配備する蓄積型ルータ装置について、待ち行列制御方法ならびに経路制御方法を検討し、その構成を提案した。具体的には、締め切り時刻を考慮した適応型マルチパスルーティングと優先度待ち行列を用いることで柔軟な負荷分散を図った。遅延予測値についは、リンク遅延、サービス率に関係する回線速度、利用率に関係する待ち行列長の情報を用いて計算した。予測値の精度不足の問題については、待ち行列長の二次以上のモーメントの観測が困難であっため、経路制御のセンシティビティを与える評価関数を用いることで対応した。計算機シミュレーションにより性能評価を行った結果、提案方式は、与えられた締め切り時刻までの範囲内で柔軟に迂回経路を選択し、輻輳ノードを回避し、研究課題としていたパケットロスの低減を可能とすることがわかった。さらに、締め切り時刻の設定値とそれが守られるか否かの関係についても明らかにした。以上の結果について従来方式との比較を行い、提案方式の優位性を示した。
|
-
[Publications] 辻岡哲夫, 飯田光一, 杉山久佳, 村田正: "適応型マルチパスルーティングにおけるデッドラインに基づく優先制御・経路制御法の検討"電子情報通信学会技術研究報告 ネットワークシステム. NS2002-19. (2002)