2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
久我 宣裕 東京工芸大学, 工学部, 講師 (80318906)
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Keywords | パッチアンテナ / スロットアンテナ / 偏波共用アンテナ / アクティブアンテナ / 相互変調歪 / 移動体通信 |
Research Abstract |
2GHz帯パッチ-スロット偏波共用アンテナについて,各偏波素子単体の能動素子一体化を検討した.能動素子には富士通製HEMT(FHX35LG)を用いた.アンテナの自己発振特性は800×800×800[mm]の電波暗箱内で評価した.水平偏波用素子はT型モノポール2素子をHEMTのゲートに接続されたマイクロストリップ線路によりスロットを介して励振する構成である.本アンテナは小型で地板の小さい構成であるため,DCバイアス回路に扇形分布定数RFチョークを用いることが困難である.そこでチップインダクタと高インピーダンス線路を組み合わせたRFチョークを本アンテナに適用した.その結果,ゲート及びドレイン用線路を偏波面に平行に設置した構成で最も安定に発振し,かつ交差偏波を主偏波に対し約30dB程度まで抑制することが可能となった.またこの素子励振構成を垂直偏波用パッチ素子にも適用した結果,交差偏波-25dB以下の良好な放射特性を実現することができた.ただし,給電回路を設置するために地板を幅広化したため,地板によるビーム幅制御の自由度が減少した.なお発振周波数安定度は10^<-5>のオーダーとなり,比較的良好な結果が得られている.また発振周波数のバイアス電圧への依存性は素子ごとに異なり,水平偏波素子が低電圧領域で安定な特性を示した.振幅特性については,素子間の顕著な差異は見られなかった. 次に,素子複合化時の問題点について実験的に検討した.アクティブアンテナでは素子間相互結合量が直接評価できないため,ここでは発振周波数の異なる素子を用いて,素子間の干渉を評価した.その結果,素子の近接化によるインジェクションロックは見られなかったが,相互変調歪の発生が問題となることを確認した.なおこのときの素子間のアイソレーションは約35dBである.相互変調歪の抑制法や定量的評価は今後の検討課題と言える.
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Research Products
(1 results)