2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークを用いた点字翻訳システムの構築
Project/Area Number |
13750380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
渡部 徹 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (10270323)
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Keywords | ニューラルネットワーク / ニューロコンピューティング / ニューロ / バックプロパゲーション / BP / 点字翻訳 / 点訳 / 福祉情報工学 |
Research Abstract |
現在、日本語文書を点字に翻訳する方法として、点訳者が点訳を進める方法や自動点訳ソフトによって点訳を行う方法がある。前者の点訳者によって点訳をする場合、点訳者の人数自体が少ないうえに、一人の点訳者が翻訳できる数は限られている。また、後者の点訳ソフトによって点訳する場合は、点訳ソフトが正しく点訳できない場合が依然として多くあり、あくまで点訳者による点訳支援システムという形態をとっている。本研究は、人間の脳機能をモデルとしたニューラルネットワークを点字翻訳に適応し、その精度を評価・検討するものである。 本研究では、まず点字翻訳のプロセスの中で最も複雑で時間が掛かる「分かち書き」をニューラルネットワークに適用した。ニューラルネットワークは入力と出力の与え方やネットワークの構成によってその性能が大きく異なる。そこで、入力に与えるデータとして、(1)点訳前の文書の文字コードをそのまま入力する方法、(2)文書を漢字とひらがなとカタカナ記号に分類したものを入力として与える方法、(3)文書を品詞別に分類したものを入力として与える方法、以上3種類の入力方法について計算機シミュレーションを行い、その結果からシステム性能の評価検討を行った。その結果、点字翻訳のそれぞれの正答率は、(1)75%、(2)93%、(3)95%という結果を得た。現状では、(3)品詞入力の手法が最も正答率が高いと言える。 今後の研究計画としては、上記の手法(3)で誤認識をした入力パターンのデータベースを作成し、ニューラルネットワークの前処理としてこれらの入力パターンを除去してやることにより、さらに高い走答率の目指す。さらに、分かち書きが終了した次段階として、分かち書きされたデータを点字仮名遣いに変換するシステムを加える予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大塚勝彦, 岸田 悟, 渡部 徹: "分かち書きへのニューラルネットワークの適用"平成13年度電気・情報関連学会中国支部連合大会講演論文集. 301 (2001)
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[Publications] 大塚勝彦, 岸田 悟, 渡部 徹: "ニューラルネットワークによる分かち書き"電子情報通信学会技術研究報告(ニューロコンピューティングNC). (2002年3月18日掲載予定). (2002)