2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ胚における自律神経機能による心拍数変動の定量化
Project/Area Number |
13750381
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 龍一 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (00322876)
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Keywords | 鳥類胚 / 鶏胚 / 自律神経 / 血圧 / 長期連続 / 心拍数 / パワースペクトル / 1 / f |
Research Abstract |
(1)自律神経遮断剤及び亢進剤投与による血圧信号計測 鳥類胚の心拍数計測としてS/N比が高く、体動の影響をあまり受けない血圧計測は、心拍数変動における神経活動や病理診断技術の研究において重要な計測法である。しかし鳥類胚の血圧はカテーテルを卵殻内にある尿膜動脈に挿入して計測を行うため、カテーテル内の血栓や固定方法など長期連続計測には様々な問題がある。本研究では鳥類胚として比較的入手が容易である鶏胚を用い、生体用接着剤によってカテーテルを尿膜動脈に固定する方法により、従来よりも長期に連続して計測することが可能となった。血圧信号は圧力変換器からの信号をアナログフィルタ(NF回路ブロック)を通し、A/D変換ボードによりコンピュータに取り込むようなシステムとなっている。薬剤による自律神経活動の状態を調べるため、血圧の計測と共にコンピュータ内で瞬時心拍数を算出し心拍数変動を確認した後、副交感神経遮断剤であるアトロピンを尿膜静脈に挿入したカテーテルから投与した結果、過去の結果とあわせ孵卵後期では自律神経は活動していることを確認し、アトロピンの投与量によって心拍数変動パターンが変わることを発見した。 (2)信号処理による変動パターンの解析 上記の計測システムにより得られた通常時及び自律神経剤投与時における血圧信号から血圧値及び瞬時心拍数を算出し、神経剤投与における時系列パターンの変化を明らかにした。また時系列変動の定量化を進めるため、通常時における心拍数データを用いFFTによるパワースペクトル解析を行った結果、孵卵後期の鶏胚ではスペクトルの傾きが1/f^2ほどであることが確認された。さらに、アトロピン投与前と投与後ではスペクトル・パターンが変化しており、約0.1Hz以上の周波数領域が副交感神経活動を示すパワーであると考えられる。
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