2002 Fiscal Year Annual Research Report
調音における話速変換規則の導出と音声合成システムへの応用
Project/Area Number |
13750394
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
緒方 公一 熊本大学, 工学部, 助教授 (10264277)
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Keywords | 調音器官 / 調音運動 / 調音モデル / 縦続1次系 / 音声合成 |
Research Abstract |
本研究は,話速を変えた場合の調音運動データの収集・評価を通して,話速変換が可能で自然性の高い合成音声が生成できるシステムを実現することを目的とする。この目的のため,GUIベースの音声合成システムの開発改良を進めた。このシステムでは,高次系の近似関数の一つとしても用いられる縦続1次系関数を調音運動軌跡の表現に利用することで,滑らかな断面積変化を実現した。また,断面積変化の開始時刻をコントロールするパラメータを導入することで,話速変化も可能なシステムとなっている。声道形状変化のアニメーション機能を含めて,音声合成システムをノートパソコン上に構築し,デモンストレーションの環境も整備している。 このGUIシステムでは,母音,および連続母音の合成を取り扱ったが,本年度は無声子音や破裂音の合成も可能な子音合成シミュレータの開発も行った。子音を含む調音運動軌跡に対して縦続1次系関数が良好な近似関数となることを利用して,時間的な断面積変化を表現した。合成音の品質には改良の余地はあるものの,聴覚的には認識できる合成音が生成できた。今後,音質の改良に向けて更に研究を進める予定である。 これらの研究業績の一部は,Webベースの音声合成システムの開発にも結びついており,Webブラウザを介して,母音,連続母音の合成を体験できるシステムの作成も行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kohichi Ogata: "Development of a GUI-based articulatory speech synthesis system"Proceedings of International Conference on Spoken Language Processing (ICSLP2002). 1517-1520 (2002)
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[Publications] 緒方公一: "調音に基づく音声合成システム-GUIを用いたシステムの開発-"電子情報通信学会技術研究報告. 102・292. 29-34 (2002)
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[Publications] 緒方公一: "調音に基づく音声合成システムの開発-システムの高機能化とWeb対応-"日本音響学会2002年秋季研究発表会講演論文集-I-. 313-314 (2002)
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[Publications] 緒方公一: "縦続1次系に基づく子音合成シミュレータの作成"日本音響学会2003年春季研究発表会講演論文集-I-. (発表予定). (2003)
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[Publications] 中山智武: "音声生成過程に基づいた音声合成シミュレータの開発"第17回熊本県産学官技術交流会講演論文集. 314-315 (2003)