2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 誠一 長野工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (20300577)
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Keywords | 磁気異方性 / レール軸力 / レール軸応力 / 非破壊検査 / 脱磁 |
Research Abstract |
本研究は,磁気異方性を利用して鉄道用レール内部に発生する応力,つまりレール軸力を非接触で測定するセンサの開発を行うことを目的としている。本年度は,センサを用いてレール軸力を測定する際の基礎データとなる周波数特性を実測して,最適な励振周波数を実験的に検討した。また,測定対象となるレールの脱磁法に関する実験的検討を行った。本年度はレールの材質に近いS45C鋼材を測定対象として研究を進めた。 レール軸力センサをS45C鋼材に接触させて周波数特性を実測した結果,励振周波数を非破壊検査でよく用いられる400Hzから増加した場合にセンサの出力電圧は増加したが,出力電圧の変化率は減少することがわかった。このことから,400Hzから1kHzの範囲で応力に対する出力電圧の変化率が大きくなることが明らかになった。また,入力電流に関しては,鋼材の異方性パターンを実測するためにセンサを回転させた場合においても入力電流の変化率は0.4%以内であり,鋼材に対して一定の磁束を与えていることがわかった。これにより,センサの感度はセンサを回転させた場合においてもほぼ一定であることが明らかになった。 次に,S45C鋼材を用いて,鋼材内の残留磁気を除去するための脱磁法について検討した。カットコアを用いた脱磁装置を製作して励磁電流を変化させた場合の脱磁効果について実験的に検討した。脱磁効果の確認はレール軸力センサを用いた。脱磁周波数を商用周波数である60Hzとして,0.3Aから0.8Aまで変化した場合において脱磁効果に違いは見られず,比較的低電流でも脱磁効果があることがわかった。また,脱磁波形を任意に作成できるソフトウェアを導入して,鋼材に対して一定の脱磁を行えるようにした。
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