2001 Fiscal Year Annual Research Report
入力制約を考慮した時間軸状態制御形にもとづく非線形スイッチング制御
Project/Area Number |
13750413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山川 聡子 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (20293748)
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Keywords | スイッチング制御 / Chained System / 安定化条件 / Hybrid System / 入力制約 / CPI集合 / 車両ロボット / Non-holonomic System |
Research Abstract |
実システムにおいては,化学プラントの制御や車の運転のように,状況によって複数の制御則を切替えて用いる場合が多い.このような制御系は連続時間的な変化と離散時間的な事象が混在するため,ハイブリッド制御系と呼ばれる.連続時間の制御則に離散的な切替則を組合わせると,従来の連続時間制御では得られなかった性能が得られる.その一方で,制御則の不連続な切替えによって入力や状態の値が大きく跳ね上がる等の問題が生じる.特に,実際のシステムではモータ出力や機械の可動範囲など,入力や状態に制約があることが多く,このような挙動は望ましくない. 本研究では,制御入力の大きさに制約を持つChained Systemに対してスイッチング制御を行った場合の安定化条件を導き,制御則設計法を提案している.そのためにまず,Chained Systemを区分的線形システムとして捉え,各線形システムに対してCPI(Constrained Positively Invariant)集合を解析的に求めた.これらのCPI集合は線形のLQ制御理論より,状態空間において対称性をもつ超楕円体として得られた.この二つの楕円体の共通集合を求めることで,入力制約を満たしたまま安定化するためのスイッチング制御則の十分条件を得た. 提案法の有効性の確認と実システムへ適用する場合の問題を明らかにするために,Chained Systemの例である車両ロボットに提案法を適用して目標値への到達実験を行った.モータの最大出力値の制限や制御入力信号の離散値化を行う実システムでも目標値に到達できることを確認した. 今後は入力制約を考慮したスイッチング制御則による安定化の必要十分条件の導出,および障害物(=外乱)の有無などの実験条件を変えて検証を進める予定である.
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