Research Abstract |
国道23号四日市高架橋,国道22号枇杷島高架橋,国道25号亀山大橋において測定した自動車(特に大型自動車)荷重列データについて分析を行なった.四日市の荷重データによれば,1週間の台数の変化は平日ではほぼ同程度の車両台数が走行しており,土曜日,日曜日に台数が減少する.車両総重量の相対頻度分布は,軽量または空載車両を示すと考えられる100kN,積載状態を示すと考えられる200kNの2つの特性峰が見られた.24時間ごとに計算した相対頻度分布は1週間を通じて等しくなっており,24時間に走行する大型車両の車種構成比率がほぼ一定であることが予想される.また,四日市,枇杷島,亀山での車両総重量の相対頻度分布は,それぞれ異なる形状であり,大型自動車荷重(群)はその橋梁の路線,位置に依存する特性があることが示された.BWIMに用いた縦桁のひずみ波形は,個々の車両ごとに分割できるため,ひずみ波形についてレインフロー法により個々の車両ごとに応力範囲を計数し,縦桁の溶接部を対象として疲労損傷度を求めた.疲労強度等は,日本鋼構造協会の「鋼構造物の疲労設計指針」に準拠した.車両総重量に対する損傷度の分布によれば,車両総重量200kN程度が分布中央値となる.このことは,200kNを越える車両群が,縦桁のような比較的短い影響線長を持つ部材の疲労損傷に対して,大きな影響力をもっていることを示している.また,車両長さ-車両総重量-疲労損傷度の相関関係の分析により,一般的な貨物輸送の主力となっている3〜4軸の大型貨物自動車が疲労損傷度に与える影響が大きく,その中でも,特に200kNを中心とした積載,過積載車両が疲労損傷の大きな要因となっている.一方で,トレーラー類は台数あたりの軸数が多いため,積載状態のトラックの3〜4倍にあたる疲労損傷度を橋梁に与えている.車線別の損傷度の分析によれば,追越車線では,重量の大きな車両の混入率が小さくなるため,トラック1台あたりの平均疲労損傷度は走行車線の方が大きくなる.
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