2001 Fiscal Year Annual Research Report
潜堤による砕波に伴う水表面の破れ機構と気泡生産過程の構造に関する研究
Project/Area Number |
13750487
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷲見 浩一 金沢工業大学, 工学部, 講師 (10314048)
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Keywords | 潜堤 / 砕波 / 気泡 |
Research Abstract |
海岸構造物による砕波は波浪の静穏化や海浜の安定化を支配する重要因子である.特に砕波によって気泡が水塊内部へ混入する過程は,砕波機構の解明において極めて重要である.砕波に伴う気泡連行の特性に関しては種々の研究が行われ,しかし,現在までにどのように気泡が水塊内に取り込まれて,波がなぜ砕けるのかという砕波に伴う水面内部への気泡連行過程とそれに立脚した砕波機構については,ほとんど議論されておらず依然として不明な点が多い.そこで,海岸構造物として近年,その計画・施工例が増加している潜堤を取り上げ,天端上で砕波する砕波現象を対象に超高速ディジタルビデオカメラを用いた可視化水理実験を実施して,砕波に伴い水面内部に気泡が混入する過程について考究した. その結果,以下のことが明らかとなった. (1)波峰前面に微少な擾乱部が形成され,この擾乱部に発生するくぼみから気泡が波内部に取り込まれことが明らかになった. (2)波峰擾乱部に発生するくぼみは表面張力波と推察され,表面張力波が表面付近に発生させた渦の相互干渉が気泡の流体内部への混入に寄与している. (3)気泡の流体内部への取り込まれる過程は3種類のパターンに大別され,入射波の進行方向に対して水平方向と鉛直方向に気泡が混入するケースと気体が巻き込まれるように流体内部に取り込まれるケースであった. 砕波に伴う気泡混入過程は,砕波現象のメカニズム・エネルギー逸散機構を解明する上で非常に重要であり,気泡混入位置・混入量等,不明な部分が未だ多くこれらを明らかにするには,今後さらなる研究が必要である.
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Research Products
(1 results)