Research Abstract |
ジオシンセティックが埋立地の底部集排水材として用いられる事を想定し,その閉塞現象について検討した.試料として4種類のジオシンセティック(ジオテキスタイル:1種[GTと称する],ジオコンポジットドレイン:3種[GD1,GD2,GD3と称する])を選定し,最初に,圧縮係数,透水係数(面内方向,面垂直方向),開孔径の測定を行い,次いで,SSによる閉塞試験,さらに,浸出水による通水試験を行った.それぞれの試料の代表的特性は,開孔径がGT(1.93μm),GD1(6.64μm),GD2(1.69μm),GD3(1.66μm)であり,面内方向透水係数はGT(0.03cm/s),GD1(2.81cm/s),GD2(0.42cm/s),GD3(0.54cm/s)である. 圧縮試験から,埋立地底部を想定した場合(載荷圧:2.5kgf/cm^2[埋め立て高さ20m相当])には,ジオテキスタイル[GT]の面内方向通水能は,集排水間隔10mを想定した場合の排水量を十分に排除できないほど小さいことが明らかとなった.また,埋立地浸出水中のSSと同じ粒径分布を有するSS懸濁水を作成し,試料に供給した試験から,GD1以外のジオシンセティックは全てSS供給量の増大とともに,透水性が低下し,初期通水能の40%以下となった. 埋立地から採取した浸出水原水を約40日間供給した実験では,SS懸濁水による通水能低下よりも早く,通水能の低下が認められた.閉塞物を蛍光X線で分析した結果,主成分はCaCO_3であった.従って,浸出水中のCaが大気中のCO_2と反応してCaスケールを生成したと思われる.CaCO_3の生成ポテンシャルは,供給源水中のpH,Ca濃度,アルカリ度から算出されるランゲリア指数で評価できる.そこで,このCaCO_3生成ポテンシャルの異なる浸出水を作成し,通水能低下速度とランゲリア指数の関係について検討した.
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