2001 Fiscal Year Annual Research Report
果実核廃棄物を原料とする中空活性炭の開発とその建築材料への適用に関する実験的研究
Project/Area Number |
13750546
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
輿石 直幸 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00257213)
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Keywords | 果実核 / 廃棄物 / 炭化 / 活性炭 / コンクリート / 軽量骨材 / 環境浄化型建材 |
Research Abstract |
本研究は、缶詰などの食品加工業からの産業廃棄物として焼却あるいは埋立処分されている果実の核(種)を建材として有効利用することを目的とし、その開発・実用化に向けた基礎研究を行っている。平成13年度は、桃および梅の果実核を対象として、下記の3段階で実験を行った。 第1段階は、果実核の性質の測定である。個体の性質として密度・吸水率、細孔構造・細孔径分布および圧壊強度等、粒子群の性質として粒径分布、単位容積質量・実績率および破砕値を測定した。その結果、日本工業規格に規定される構造用軽量コンクリート骨材に匹敵する品質を有することがわかった。 第2段階は、果実核の炭化および炭化果実核の性質に関する実験である。小型電気炉と試作した容量約30リットルの試験炉を用い、焼成温度および冷却方法等の条件を変えて果実核を炭化し、炭化果実核の性質に及ぼす影響を調べた。その結果、焼成温度が高く炭化が進むほど場合ほど、材質は脆弱になるものの細孔構造の発達が顕著であることが明らかになった。実験結果を総括すると、炭化度が低い場合には比較的材質が堅硬であり充填材としての利用の可能性があり、炭化度が高い場合には吸着・浄化作用に特化した用途への利用が効果的であることが示唆される。 第3段階では果実核および炭化度の低い炭化果実核の実用例としてコンクリート用骨材への利用を検討した。桃および梅の果実核とそれぞれの炭化果実核を粗骨材としたコンクリートでは、天然軽量骨材を粗骨材としたコンクリートとほぼ同等のワーカビリティーを示した。また材齢28日の時点では、桃果実核および梅炭化果実核を用いたコンクリートでは、天然軽量骨材を用いた場合とほぼ同等の圧縮強度を発現しており、実用の可能性があることが確かめられた。 平成14年度は、さらに吸着・浄化作用を高めるための賦活処理の適用と、炭化度の高い脆弱な炭化果実核の用途を検討する予定である。
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