2001 Fiscal Year Annual Research Report
執務空間におけるタスク・アンビエント空調方式の最適化に関する研究
Project/Area Number |
13750560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
秋元 孝之 関東学院大学, 工学部, 助教授 (30318894)
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Keywords | タスク・アンビエント空調 / 被験者実験 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1)国内外の関連研究・調査状況のレビュー これまでに国内外で適用されてきたタスク・アンビエント空調システムの実施例を調査し、現状の把握および問題点の分析を行った。 2)被験者実験による熱的快適性評価 「関東学院大学次世代型空調システム性能試験装置」を利用して、タスク空調システムとアンビエント空調システムの複数の組合せ条件下における被験者実験を実施した。 実験は各設定温湿度の中で、一日を午前と午後の2回に分けて行い、時間は午前、午後とも5時間とした。被験者は、実験内容を知らない健康な20代の男女16名を公正な応募により選定した。被験者は、机上吹出口からの気流に暴露され、温冷感、快適感、気流感について申告を行った。あわせてタイピング作業を行ってもらい作業効率について調査した。実験条件はアンピエント環境を空気温度27℃、30℃と湿度40%RH、70%RHの組合せとし、給排気方式として天井吹出し+全面床吸込みを採用した。オフィス内を想定して代謝量は1.2met、2.0metとした。着衣量は夏季のオフィスを想定して男子は0.70clo、女子は0.55cloとした。吹出し気流を非等温気流にすることにより等温気流に比べ低い気流速度で涼感が得られたことから、非等温気流の方がドラフトを生じず涼感が得られ全身の快適感が増加すると考えられる。また、アンビエント域の温湿度条件が高くなるにつれて非等温気流の有効性が高くなることがわかった。さらに、被験者が自由に吹出し気流を設定する条件では、快適側の申告が多く見られた。タスク空調システムを利用することにより、個人の温冷感に対する好みを積極的に反映し個人差の影響を縮小することが可能になると考えられる。
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