2001 Fiscal Year Annual Research Report
日米加3国における歴史的環境の保安・再生・活用のための広域NPOの発展過程
Project/Area Number |
13750575
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岡崎 篤行 新潟大学, 工学部, 助教授 (10281247)
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Keywords | 歴史的環境 / NPO / アメリカ / カナダ / 保全 / 再生 / 活用 |
Research Abstract |
これまでの研究により、歴史的環境の保全・再生・活用のための広域NPOの重要性が明らかになった。広域NPOとは、米加両国では主に州または市町村レベルの組織であり、日本では主に都道府県または市町村レベルの組織である。そこで本研究では、海外現地調査等により、米加両国における広域NPOの発展過程を、近隣NPO・全国NPOの発展との関係も踏まえて分析し、その上で、日本における広域NPOの現状把握を行い、米加両国との比較分析を行うことで、日本における広域NPOの今後の発展のための課題を抽出することにある。 本年度は、米国における同時多発テロの影響により、予定していた現地調査を行うことができなかった。そこで・国内事例の実地調査、ならびにアメリカ・カナダ両国の事例に関する文献資料の入手及びインターネットによる調査を主として行った。 その結果・日本の県レベルについては、岡山県、群馬県などにおいて、県全域を活動範囲とする団体が確認された。また、兵庫県、奈良県、新潟県などでは県レベルのネットワーク活動およびその萌芽が確認できた。市レベルについては、函館市、村上市、熊本市などにおいて、市全域を活動範囲とする団体が確認できた。一方、北米の広域NPOでは、複数の団体による連合団体としての広域NPOの形成が進んでおり、これらの団体が他のNPOに対する支援活動を行っている。日本においては県や市全域を活動対象とする団体の形成は見られるものの、インターミディアリーとしての連合団体の形成は未熟であるといえる。
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[Publications] 岡崎篤行, 井澤壽美子, 高見澤邦郎, 渡邊恵子: "佐原における歴史的町並みに保全のプロセスと住民意識"日本建築学会技術報告集. No.14. 315-318 (2001)