2001 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における不良住宅群の類型化と類型別改善方法に関する研究
Project/Area Number |
13750588
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
菅野 博貢 明治大学, 農学部, 講師 (40328969)
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Keywords | 不良住宅群 / スラム改善 / 類型化 / 中国 / 大都市 / 貧困 / 都市環境 |
Research Abstract |
東アジア・東南アジアの発展途上国では現在も急激な都市化が進行しており、それとともに地方から大都市へ流入する人々や都市貧困層によって不良住宅群が形成されている。そして、これら途上国の不良住宅群に関する研究は、これまでも国内外で数多く実施されてきた。だが、それらの報告は、大都市に多数存在する多様な不良住宅群の全体像をとらえたものではなく、不良住宅群の実態を十分に反映したものとは言えない。 中国長春市で実施した全市的な調査によれば、不良住宅群は住宅地区の空間構成、都市内での分布状況、発生の起源等の違いによって少なくとも4つの類型に分類され、それぞれの類型ごとに住人属性なども大きく異なることが明らかになった。また、これらの類型ごとに居住環境の問題も異なり、改善計画の立案方法も異なると考えられた。本研究は、このような不良住宅群の類型化が普遍的に可能であるかどうかを検証することを目的としている。 研究の実施に当たっては、調査対象都市を選択するところから始めた。まず最初に、本研究の出発点となった調査対象都市が長春であったため、対象とする途上国を中国1カ国とした。そして、最初に都市規模や地理的な条件から約10都市を踏査した。 対象都市は、北部、中部、南部から1都市で、沿海部か内陸部かも考慮した。北部は既に長春を対象とすることが決まっていたので、中部と南部を主に回ったが、その結果、湖南省の長沙と雲南省の昆明(景洪になる場合もあり)を対象都市にすることとした。沿海部である程度歴史のある都市として、広州も候補に上がったが、規模が大きすぎるため断念した。また、他の沿海部の中規模の都市には、まとまった不良住宅地区が形成されていなかったので、対象とならなかった。 これらのフィールドワークに加え、先に長春で実施した調査の内容をアジア研究所の『アジア経済』に研究論文として報告した。
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Research Products
(1 results)