2001 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス複合ナノ粒子を用いた配向組織セラミックスのin-situ型高次構造制御
Project/Area Number |
13750629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上原 雅人 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (10304742)
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Keywords | 炭化ケイ素 / ナノ粒子 / 柱状成長 / 自己複合組織 / 配向組織 / 炭化チタン |
Research Abstract |
本研究では、高強度セラミックスである炭化ケイ素(Sic)について、強度および破壊靭性を向上させるために配向組織の制御や自己複合組織化技術の開発を目的としている。 本年度は気相法によって非晶質炭化ケイ素ナノ粒子および炭化ケイ素(SiC)-炭化チタン(TiC)複合ナノ粒子を合成し、種々の条件でホットプレス焼結を行い、自己複合組織および配向組織の形成に不可欠である柱状粒子の成長について調査した。得られた結果は以下の通りである。 ・テトラメチルシラン-四塩化チタン-水素系の気相反応法で、非晶質な粒径100nm程度のSiC粒子およびSiC-TiC複合粒子が合成できた。 ・SiC単体を2000℃-3hでホットプレス焼結した結果、市販粉体では等軸組織であったが、合成した非晶質粉体では、アルミナ(Al_2O_3)-イットリア(Y_2O_3)系助剤を用いた場合柱状組織であった。また、アルミナ-チタニア系では非常に微細な柱状組織であった。この結果から、焼結時に形成される液相とチタン成分がSiCの柱状成長に関与していることが示唆された。 ・単体について破壊靭性を測定した結果、2wt%Al_2O_3-1wt%Y_2O_3で最も.高く(約7MPa・m^<1/2>)の値を示し、柱状粒子によるクラックの偏向が観察された。 ・SiC-TiC複合系では、焼結体組織において、TiC量が増加すると柱状成長が抑制される傾向にあり、今後、複合量の最適化が必要である。 ・SiC-TiC複合系の破壊靱性は、TiC量が増加すると柱状成長が抑制されたため3vol%までは低下したが、それ以降はTiCとの複合効果により増加した。 以上の結果を日本セラミックス協会秋季シンポジウムで学会発表した。
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