2002 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス複合ナノ粒子を用いた配向組織セラミックスのin-situ型高次構造制御
Project/Area Number |
13750629
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上原 雅人 九州大学, 工学研究院, 助手 (10304742)
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Keywords | 炭化ケイ素 / 自己複合組織 / 柱状成長 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究では、高強度セラミックスである炭化ケイ素(SiC)について、強度および破壊靭性を向上させるために配向組織の制御や自己複合組織化技術の開発を目的とし、炭化ケイ素の微粒子合成と焼結体作製を昨年度から行ってきた。 昨年度の研究結果から、SiC-TiC複合体または助剤にTiO_2を使用したSiC単体において、SiC著しい柱状成長が観察された。焼結助剤に酸化物系を用いた場合、焼結中に形成されるガラス相(のちに粒界層となる)への溶解と再析出によりSiCは柱状成長することが知られている。そこで、本年度は、透過型電子顕微鏡により粒界層の組成分析を行った。その結果、チタンを含む粒界層が幾つか観察された。この粒界層へのチタンの溶出がSiCの柱状成長に関連していることが明らかになった。以下に本研究の結果をまとめるが、TiCの添加量の最適化により、複合効果と柱状粒子により、高い靭性をもつSiCセラミックスが得られると考えられる。 ・テトラメチルシラン-四塩化チタン-水素系の気相反応法で、非晶質な粒径100nm程度のSiC粒子およびSiC-TiC複合粒子が合成できた。 ・合成した非晶質粉体では、アルミナ(Al_2O_3)-イットリア(Y_2O_3)系助剤を用いた場合柱状組織であった。また、アルミナ-チタニア系では非常に微細な柱状組織であった。この結果から、焼結時に形成される液相とチタン成分がSiCの柱状成長に関与していることが示唆された。 ・単体について破壊靭性を測定した結果、2wt%Al_2O_3-1wt%Y_2O_3で最も高く(約7MPa・m^<1/2>)の値を示し、柱状粒子によるクラックの偏向が観察された。 ・SiC-TiC複合系では、焼結体組織において、TiC量が増加すると柱状成長が抑制される傾向にあり、今後、複合量の最適化が必要である。 なお、以上は論文投稿準備中である。
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