2002 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド製マイクロチップによるDNA解析の高能率化の実現
Project/Area Number |
13750662
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
柴田 隆行 茨城大学, 工学部, 助教授 (10235575)
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Keywords | DNAチップ / ダイヤモンド薄膜 / マイクロマシニング / 微細パターニング / 選択成長 / 陽極接合 |
Research Abstract |
マイクロチップ上でのDNAの増幅および分離/検出の高効率・高能率化を実現するためには、熱交換効率を飛躍的に向上させたデバイスの開発が必須である。本研究では、物質中で最も熱伝導率の高いダイヤモンドを材料した(1)PCR用マイクロリアクターおよび(2)マイクロCEチップ開発のための基礎的研究として、デバイス作製に必要となるダイヤモンド薄膜のマイクロマシニング技術を開発した。得られた成果は以下のとおりである。 1)ダイヤモンド薄膜の微細パターン形成技術 選択成長法によって、5〜10μmのライン&スペースをもつ微細パターニング技術を確立した。また、O_2ガスを用いた反応性イオンエッチングによる微細パターニング技術についても検討し、SiO_2薄膜をマスクとして用いることで選択比25程度、エッチング速度25mm/minを実現した。 2)ダイヤモンド薄膜の表面マイクロマシニング パターニング技術と犠牲層エッチングを組合せることで、基板から分離したダイヤモンド構造体作製技術を確立した。犠牲層としては、SiO_2、Ta薄膜が利用できることを明らかにした。 3)3次元微細構造体形成技術 異方性エッチングによって形成したSi基板のモールド上にダイヤモンド薄膜を成膜し、最終的にモールドをエッチング除去することによって、ダイヤモンド製マイクロリアクターの形成技術を確立した。また、溝状のモールドにダイヤモンド薄膜を形成することで、微細チャネルの形成手法を確立した。 4)ダイヤモンド薄膜の接合技術 中間層としてAl薄膜を利用することによって、ダイヤモンド薄膜とガラス(Pyrex7740)との陽極接合技術を確立した。Ti薄膜をダイヤモンド薄膜とAl薄膜の密着層として用いることによって1〜2MPaの接合強度が得られることを明らかにした。
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