2001 Fiscal Year Annual Research Report
新原理に基づくレーザーフラッシュ法による金属・半導体融体の熱拡散率測定
Project/Area Number |
13750683
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 浩幸 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50250824)
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Keywords | レーザーフラッシュ法 / 金属融体 / 熱拡散率 / 温度依存性 / 鉄 / コバルト / ニッケル |
Research Abstract |
レーザーフラッシュ法で金属融体の熱拡散率測定を行うためには、金属融体をどのようにして保持すのかが重要な課題である。金属融体を保持するための容器には次のことが要求される。 1.レーザー光および赤外線(波長:1μm〜5μm)に対して十分に透明であること。2.金属融体との反応性が低いこと。3.試料の厚さが容易に決定できること。4.試料の蒸気を効率良く容器外に排出すること このような条件を満たすために次のような試料セルを試作した。ムライトチュウブまたはアルミナチューブ(外径13mm、内径9mm、厚さ1mm〜2mm可変)に直径9mmで厚さを調整した試料を入れ、それをサファイアの円盤で挟み込み、これらをグラファイト治具で押さえ込み測定に供した。試作した容器を用いて、銅、鉄、ニッケル、コバルトの固体状態から溶融状態までの熱拡散率測定を試みた。鉄、コバルト、ニッケルについては、試作した試料容器は必要条件を十分に満たす性能を示し、解析に必要な温度応答曲線を測定できることができた。しかし、銅については十分な性能を発揮しなかった。得られた熱拡散率はいずれの金属でも融点を境にして、融体の熱拡散率の値は固体のそれに比較して小さくなり、かっ正の温度依存性を示した。いずれの金属の場合も、融点を100K程度超えるとS/Nが低下するとともに、加熱炉内の真空度が悪くなり測定を行うことが困難であった。熱拡散率の値の測定精度を向上させるためには、測定された温度応答曲線に対する試料容器の影響を考慮することが重要である。この点に関して、試料/容器界面の界面伝熱抵抗の影響を数値計算により検討した。その結果、試料/界面の熱抵抗が1000mm^2/KW以上の時には、試料はほとんど断熱的に保持されており、試料容器の影響がないことが分かった。しかし、実際の測定系についは、試料/容器界面での熱抵抗が定量的には明らかではないので、定量的な影響についてはさらに検討が必要である。
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Research Products
(1 results)