2001 Fiscal Year Annual Research Report
フラックスインジェクション法を用いた量産型太陽電池用製造プロセスの開発
Project/Area Number |
13750686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
棚橋 満 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70314036)
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Keywords | 太陽電池 / シリコン / 製造プロセス / ボロン / 酸素 / フラックス / インジェクション / 除去機構 |
Research Abstract |
フラックスインジェクション法による脱Bプロセスを量産型太陽電池用Si(SOG-Si)製造プロセスに適用することを目指し,当初の計画通り以下の研究を行った。 (1)インジェクション装置の設計・構築・改良: 粉体供給装置を設計・購入し,これとガス流量制御装置:マスフローコントローラ(既設)を電気抵抗炉(既設)に付設し,フラックス・酸素ガス同時インジェクション装置を構築した。本装置を用いた場合の脱B挙動を正確に把握するためには,溶融Si内に吹き込むフラックス粉体の単位時間あたりの導入量を制御する必要がある。しかし,装置を構築した直後は,安定した導入量が得られなかったので,水モデルを用いた室温でのインジェクション実験を重ね,装置の改良ならびに実験操作条件の最適化を図った。この室温実験により,フラックス粉体のキャリアガスである酸素ガスを可能な限り脱湿しておくことが不可欠であることが分かった。さらに,装置自体に工夫を加えてることにより,インジェクション時間を1分間とした場合には,本インジェクション装置により安定したフラックスの導入を可能にした。 (2)フラックス添加・酸素ガス吹き込み2段階処理法による脱B予備実験: (1)のインジェクション装置の改良には長時間を要したので,(1)と並行して既設の設備のみで遂行可能なフラックス添加・酸素ガス吹き込み2段階処理法による脱B実験を行った。実験は,SOG-Si製造プロセスの原料である冶金級Si(B濃度:約20ppm)を1573Kでアルミナ坩堝中にて溶解し,CaO-CaF_2系フラックスを上方から投下した後,所定流量の酸素ガスをSi浴内に吹き込み脱B反応を生じさせた。この予備実験により本処理法における脱B挙動を明らかにすると同時に,その知見を基にして脱Bに適した処理条件(フラックス導入量・酸素ガス流量・インジェクションノズルの径の大きさ等)を決定した。 (3)フラックス・酸素ガス同時インジェクション法による脱B実験: (2)で得られた知見を基に実験条件を設定し,(1)で構築した装置を用いて脱B実験を開始した。実験回数が少ないため詳細な検討は困難であるが,(2)の処理法に比べ効率的にBを除去することができることが分かった。
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