2001 Fiscal Year Annual Research Report
気相重合反応システムのダイナミクスの解析と非線形モデル予測制御の適用
Project/Area Number |
13750690
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 雅俊 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30230759)
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Keywords | 気相重合反応器 / ダイナミクス / モデル予測制御 |
Research Abstract |
気相重合反応器内部は、ヘリカルリボン撹拌翼で撹拌されているが、未反応ガスからなるガス相、生成ポリマー粒子からなる粉体相、供給された反応物による液相からなることが判明している。反応器内部のダイナミクス解析の際問題となるのは、1:「物質収支の考察における、各相の体積変化の影響、および三相間の物質移動のモデル化」、2:「熱収支の考察における、液体として供給された原料の気化速度のモデル化」の二点である。 コンデンサー部では、プロピレンおよびプロパンを液化し、それを再び反応器に戻す。内部は気相と液相の二相からなると考えられる。コンデンサー部のダイナミクス導出の際、問題となるのは、1:「コイルによる冷却速度に対する、二相の分率の影響(液相と気相では、冷却コイルとの間の熱伝達係数が大きく異なるため)」、2:「二相間での物質移動の際、かならずしも気液平衡が成立しているわけではないため、この点に関するモデル化」の二点である。 上記の考察に基づき、各物質に対する物質収支式、および、反応器、コンデンサーのそれぞれに対する熱収支式に基づく物理モデル(微分方程式)を構築した。そのモデルを想定される条件のもと、シミュレーションにより解析を行った。その解析結果とパイロットプラントにおける反応器の動的挙動を比較検討を行った結果、両者は良く一致しており、構築したモデルの妥当性を確認することができた。 平成14年度は、反応器の温度の制御性能を向上させるために、構築したモデルを用いた非線形モデル予測制御システムの構築を試みる。
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