2002 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼排ガス中に含まれる微粒子への重金属濃縮度評価に関する研究
Project/Area Number |
13750694
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
義家 亮 岐阜大学, 工学部, 助手 (60293544)
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Keywords | LIBS / ELPI / 燃焼排ガス / 煤塵 / 重金属 / 濃縮度 / 直接分析 |
Research Abstract |
本研究では,ELPIによって捕集・分級された微粒子サンプルの組成分析にLIBSを利用することを検討している。ELPI(Electrical Low Pressure Impactor)とは,ダスト粒径分布のリアルタイム測定を実現する測定機器の一種であり,そのダスト試料は円形アルミニウムプレート上に付着した形で得られる。一方,LIBS(Laser Induced Breakdown Spectroscopy)は発光分光分析の一種であり,固体試料の直接分析への応用が期待できる。これらの組み合わせによって,燃焼排ガス中に含まれるダストの有害微量重金属含有量を,簡便かつ短時間で評価する分析システムを確立することが本研究の目的である。H13年度までに重金属付着量既知のELPI模擬試料を水溶液滴下法によって作成し,LIBSシグナルの取得およびその積算・平均化の妥当性を確認している。 そこで本年度はアルミニウムプレートへの粒子固定化の方法について検討した。利用する粒子固定化剤に対しては,粒子飛散防止に効果を持つと同時に分光分析の障害となるマトリクス効果を与えないことが要求され,昨年度までの予備試験結果からポリビニルアルコール(PVA)を選択した。次に,Pb付着量が一定でありPVA水溶液添加量が異なる試料を用いて,PVA添加量とPb発光強度の関係について調べたところ,PVA添加量にPb発光強度は強く依存した。しかし,粒子固定に十分なPVA濃度(0.1%)の試料においてPb発光強度の再現性は高く,つまりPVA添加量を正確に設定すれば固定化剤としての機能を果たすことが確認できた。 また,実際に粒子をアルミニウムプレート上に付着させた試料と水溶液滴下試料から得られるPb発光強度の比較を行なったところ,それらはよく一致した。つまり,水溶液滴下試料が検量線作成用の標準試料として妥当であることが確認できた。
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Research Products
(1 results)