2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750699
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 英明 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (10291436)
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Keywords | 量子化学計算 / 二酸化チタン / 二酸化炭素 / 吸着 / 化学修飾 / 電荷移動相互作用 / 分極相互作用 / 静電相互作用 |
Research Abstract |
金属酸化物表面における気体分子の吸着について第一原理に基づく構造最適化を行い、得られた吸着構造について吸着エネルギーの分解を試みた。分解されたそれぞれのエネルギー項でどれが支配的であるかを見極め、吸着エネルギーを増大させるために支配的なエネルギー項をさらに増大させる化学修飾の指針を提案した。 電荷移動相互作用が支配的なエネルギーである場合 ・表面から気体分子へ電荷移動が起こる→電気陰性度が小さい原子で化学修飾 ・気体分子から表面へ電荷移動が起こる→電気陰性度が大きい原子で化学修飾 分極相互作用が支配的なエネルギーである場合 ・原子の固さが小さい原子で化学修飾 二酸化チタン(110)面における二酸化炭素の吸着に着目し、上記の指針に基づいて化学修飾し、量子化学計算を用いて吸着エネルギーを計算した。化学修飾は、チタン原子よりも電気陰性度の大きなカルシウム原子の導入と、分極相互作用を増大させるためにチタン原子よりも柔らかいアルミニウム原子の導入を行った。いずれの場合も吸着エネルギーが増大し、化学修飾の指針の妥当性を確認した。 また、分解された吸着エネルギーの一つである静電相互作用において、定性的・定量的に理解する上で重要な原子の部分電荷を計算する方法を開発した。この方法は、対象分子を内包する空間をグリッドに区切り、それぞれのグリッドの電子密度を基に、最小二乗法を用いて部分電荷を求める。この方法を二酸化チタン(110)面における二酸化炭素の吸着に適用したところ、Mulliken-chargeによる計算よりもはるかに精度の良い結果を得た。従って、この方法を用いた表面-気体分子間の静電相互作用エネルギー計算は、十分な指針となり得ることが解った。
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Research Products
(1 results)