2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中村 一穂 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30323934)
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Keywords | イオン交換 / 電気透析 / 連続イオン交換 / EDI |
Research Abstract |
EDI(Electro De-Ionization:電気式脱塩装置)は、電気透析とイオン交換法を組み合わせた方法でイオン交換樹脂を連続的に再生することが可能であり、超純水製造分野で使用されているが、イオンの選択分離への適応例はない。本研究では、EDIの持っ連続イオン交換能に加えてイオンの選択分離能の付与を目的とし、EDI装置の設計・製作、Na^+,Ni^<2+>イオンの分離特性について検討した。 まず脱塩室内のイオン交換体充填量をコントロールできるよう脱塩室の幅を変えることができるEDIモジュールの設計・製作をおこなった。イオン交換膜として強酸性陽イオン交換膜(CMX:トクヤマ)および強塩基性陰イオン交換膜(AMX:トクヤマ)を使用した。イオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂SA12A、陽イオン交換樹脂SK1Bを用いた。陽イオン交換体の代わりとしてキレート樹脂CR-10を用いた場合についても検討した。 作製したEDI装置によりNaC1, NiC1_2混合液(各濃度0.1M)の脱塩実験を行った。EDIによる脱塩では濃縮室の総イオン濃度は7ppmまで低下することができた。Naイオンは濃縮室にてほぼ100%回収できたが、Niイオンの回収率は1%程度であり、Niイオンは脱塩室および濃縮室の濃度変化から物質収支がとれなかった。キレート樹脂CR-10を用いた場合はNiの回収率はさらに1/3程度に下がった。濃縮室および脱塩室内のpHおよび濃度変化からNiイオンの回収率の低下は交換体への吸着、水酸化物化による不溶化が原因として考えられた。イオンの連続的な選択分離のためには目的イオンが析出しないようなpH条件にする必要があることがわかった。
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