2001 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザー励起マイクロキャピラリー振動セルの試作研究
Project/Area Number |
13750746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小竹 玉緒 群馬大学, 工学部, 講師 (10301128)
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Keywords | 光熱変換分光法 / レーザー誘起キャピラリー振動 / マイクロHPLC / 溶媒効果 / 熱伝導率 / 信号増大因子 / キャピラリー電気泳動 / 半導体レーザー |
Research Abstract |
本研究の目的は申請者がこれまで開発してきたレーザー誘起キャピラリー振動(Capillary Vibration induced by Laser : CVL)法を応用し、近年注目されているマイクロ総合化学分析システム(micro total analysis systems : μTAS)に適合した高感度な微小振動検出セルを試作することである。熱伝達効率を含めた振動発生機構を解析し、省エネルギー・高効率化を図ることによる検出システム全体のマイクロ化を目指す。 今年度は、振動セルのマイクロ化設計の基礎となるCVL効果の溶媒依存性を検討した。CVL効果は光熱変換効果の一種であるので、信号発生機構は無輻射緩和により生じる熱に起因すると考えられる。しかし、CVLの場合には、発生した熱を機械的な振動に変換してから検出するため、通常の熱レンズ効果とは異なり、溶媒の屈折率に依存しないことが予測された。実際、CVL信号強度は溶媒の熱伝導率には依存するが、屈折率には依存しないことを実験的に示すことができた。このことは、HPLCのように様々な有機溶媒を用いる分離システムへ適用しても、バックグラウンド信号の変動が起こりにくく、高感度な検出が達成できることを示唆している。実際、CVL法をマイクロHPLCの検出法として適用し、アットモルレベルのダブシル化アミノ酸の分離検出が可能であることを示した。また一方、半導体レーザーをCVL励起光源として用いる場合、分析対象が限られるおそれがある。そのためには、間接法の利用が有用であると考え、間接CVL法に関する基礎検討も併せて進めた。 今後、励起光源の微小化のための半導体レーザーの導入、振動の効率的発生が可能なセルの開発、振動計測法の簡易・微小化を検討し、マイクロチップ上への集積化を目指す。
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