2002 Fiscal Year Annual Research Report
2次元ナノサイズ構造規制層状半導体薄膜による可視―紫外光の高効率利用化の試み
Project/Area Number |
13750764
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鯉沼 陸央 熊本大学, 工学部, 講師 (70284742)
|
Keywords | 層状酸化物 / 光電気化学 / サイズ認識 / 金属微粒子 / アルコール酸化 |
Research Abstract |
光触媒反応によって水を完全に分解できるニオブ酸層状酸化物を種々の方法で導電性基板上に固定し、その光電気化学特性を評価した。K_4Nb_6O_<17>を基板上に固定した電極はn型半導体的挙動を有し、その光酸化電流は主に層間内での水の酸化分解反応であることがわかった。層間内に金属イオンを導入した系においては1層間内のみにおいて金属の酸化還元反応が可逆的に進行し、還元処理を行うと、層間内に金属の微粒子が作製できることがわかった。この微粒子のサイズは数Åであり、そのXRDパターンからその粒子サイズはほぼ均一であることが示唆された。したがって、この反応を利用することで、比較的簡単にナノメータースケールの金属微粒子を作製できるものと期待される。 また、層間での光酸化反応を燃料電池の基礎研究のためにアルコールの光酸化反応に利用した。種々のニオブ酸層状酸化物を検討した結果、KCa_2Nb_3O_<10>が最も高い活性を示すことがわかった。メタノールの光酸化が最も起こりやすく、分子サイズが大きくなるにつれ、光酸化反応が急激に低下した。これは、アルコールの光酸化反応が層状酸化物の層間で選択的に起こりていることを示している。さらに、白金基板上に固定したKCa_2Nb_3O_<10>膜のメタノールの光酸化効率は、白金基板のみに比べて数100倍に向上した。 以上の研究から、層状ニオブ酸の層間はナノメートルスケールでのサイズを認識できる反応場として利用できることが期待される。
|
Research Products
(1 results)