2001 Fiscal Year Annual Research Report
金属集積型生体分子を用いたナノ構造表面構築のための基礎研究
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13750765
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨永 昌人 熊本大学, 医療技術短期大学部, 助手 (70264207)
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Keywords | フェリチン / 電気化学 / 電極 / 単分子膜 / 吸着 / 二分子膜 / 原子間力顕微鏡 / 脂質 |
Research Abstract |
金属集積型生体分子であるフェリチンの固定化およびその機能である鉄の貯蔵・放出の電気化学的制御を行うための有機単分子膜修飾電極を見いだした。すなわち、アミノ基を末端に有するチオール有機分子を単分子膜修飾した単結晶金電極上に、フェリチン分子を静電的に固定化できることが解った。また、電極基板上に固定化されたフェリチン分子の鉄の貯蔵・放出機能を、電極のポテンシャルよって制御することも可能となった。 フェリチンを固定化した基板をタッピングモードの原子間力顕微鏡で観察したところ、フェリチンの凝集は観察されず、ほぼ均一に基板上に吸着していることが解った。原子間力顕微鏡で観察したフェリチンの基板上への吸着量と電解法で算出したその吸着量がほぼ一致したことから、フェリチンの吸着量を電解法によって評価できることが解った。フェリチンの吸着量は、基板のフェリチン溶液への浸漬時間により制御可能であった。 フェリチンの基板上への吸着は、基板上に修飾された有機単分子膜の特性を大きく反映することが解った。このことは、修飾する有機単分子膜のパターンを基板上に作製することで、フェリチン分子を特定のパターン状に固定化できることを示す。すなわち、電気化学法と組み合わせることで、コアサイズを制御したフェリチン分子を特定のパターンに固定化出来ることになる。 フェリチン分子の人工脂質二分子膜中への固定化と電気化学的評価を行った。その結果、脂質膜フィルムの相転移温度以上の温度において、フェリチン分子はカチオン性の脂質膜フィルム中にイオン交換的に取り込まれることが解った。また、取り込まれたフェリチン分子の電気化学的測定が可能であることが解った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 冨永, 昌人: "Electrochemically Regulated Iron Uptake and Release for Ferritin Immobilized on Self-Assembled Monolayer-Modified Gold Electrodes"Chemistry Letters. 2001・7. 704-705 (2001)
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[Publications] 冨永, 昌人: "Artificial Lipid Bilayer Membrane Films-Modified Graphite Electrode for Incorporation and Electrochemistry of Horse Spleen Ferritin"Electrochemistry. 69・12. 937-939 (2001)
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[Publications] 冨永, 昌人: "Direct Electrochemistry of Cytochrome c Embedded in Membrane Films of Anionic-Type Lipids Prepared via Ion-Exchange"Chemistry Letters. (印刷中). (2002)