2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 靖典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271646)
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Keywords | ドミノアリル化反応 / γ-ボリルアリルボラン / カップリング反応 / 触媒的ヒドロホウ素化反応 / クロスメタセシス / ルテニウム触媒 / イリジウム触媒 / 白金触媒 |
Research Abstract |
本研究は新規アリル型ホウ素化合物の合成を目的とし、ドミノアリル化剤として利用可能なメタルアリル金属化合物の合成法及び反応性を調査するものである。メタルアリル金属化合物はその合成が難しく、これまで報告例は限られている。さらにそのカルボニル化合物へのドミノアリル化反応への適用については、その反応性の詳しい調査もされていない。初年度はγ-ボリルアリルボランの選択的合成法を調査した。 1.メタルヒドリド、ジメタル化合物による不飽和結合への付加反応 アレニルボランの触媒的ヒドロホウ素化反応によりγ-ボリルアリルボランを合成した。[IrCl(cod)]_2/dppe錯体を用いたときに最も収率、選択性よく目的物が得られた。生成物の立体はシス体優先であった。 2.メタルヒドリド、ジメタル化合物によるγ-クロロビニルボランとのカップリング反応 ピナコールボランとγ-クロロビニルボランとの白金触媒によるカップリング反応は、トルエン中 Et_3N存在下、Pt(dba)_2/P(C_6F_5)_3触媒を用いると選択的に目的物が得られた。立体はトランス体優先であった。 ホウ素求核剤をジボロンに変えた場合、Pd(dba)_2/AsPh_3/KOAc系触媒が良好な結果を示した。 3.アリルボランとビニルボランによるクロスメタセシス反応 ルテニウムカルベン錯体によるアリルボランとビニルボランのクロスメタセシスを検討した。反応はクロスメタセシスのみが選択的に進行し高収率で目的物をトランス選択的に与えることが分かった。 得られたγ-ボリルアリルボランとアルデヒドとのドミノアリル化を試した結果、トルエン中、室温、数時間でドミノアリル化が進行することが分かった。
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Research Products
(1 results)