2001 Fiscal Year Annual Research Report
2枚のポルフィリンを分子認識場として有する遷移金属錯体触媒の開発
Project/Area Number |
13750799
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐竹 彰治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (00277831)
|
Keywords | ポルフィリン / ビピリジン / 分子認識 / 金属錯体 |
Research Abstract |
金属配位子を介して2枚のポルフィリンを連結しビスポルフィリンビピリジル化合物を効率よく合成することに成功した。5-{4-(2-ブロモピリジル)}ポルフィリン(1)をニッケル(0)ビスシクロオクタジエン錯体(25等量)存在下、DMF中室温で撹拌すると還元的カップリング反応が進行したサイズ排除クロマトグラフィーによる精製の後、4 4'-ビス(5-ポルフィリニル)-2,2'ビピリジン(2)が5.8%で得られた。合成した2のビピリジル配位子部位に金属導入を行い、金属錯体形成を検討した。2の重テトラクロロエタン中に塩化パラジウムビスアセトニトリルを滴下し、^1H NMRで変化の様子を追跡したところ、2.2等量加えた時点で、スペクトル変化が止まり、ビピリジルパラジウム錯体3が生成した。3の^1H NMRスペクトルは、ポルフイリン部位の化学シフトが錯形成前のものに比べて高磁場シフトしており互いのポルフィリン同士が向き合った配向をとっていることがわかった。また、この錯体3に4,4'ジメチル-2,2'ビピリジンを加えると元の2に定量的に戻りこともわかった。このことより、外部からの物質添加により2枚のポルフィリンの空間的配置をコントロールできることが明らかとなった。
|