2001 Fiscal Year Annual Research Report
置換グリコリドの立体選択重合による生分解性高分子の合成と生成高分子の機能性
Project/Area Number |
13750807
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80291235)
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Keywords | ポリ乳酸 / 生分解性 / ポリグリコリド / エチルグリコリド / アルミニウム触媒 / 亜鉛触媒 |
Research Abstract |
DL-ポリ乳酸は生分解性ポリマーであるが、その生分解性やガラス転移温度などの物性はポリマーの主鎖構造に大きく依存することが知られている。そこで、ポリ置換グリコリドにおいてもポリマー主鎖の構造を規制することで、物性等を変えることができると考えられる。本研究ではアルミニウムおよび亜鉛系触媒を用いてエチルグリコリドの開環重合を行い、得られたポリマーの構造、物性および生分解性を検討した。重合はエチルグリコリドに対し、サレン-アルミニウム錯体、ジエチルアルミニウムクロライド/D-マンニトールおよびジエチル亜鉛/D-マンニトールを触媒に用いて行った。メソ体およびラセミ体の転化率はガスクロマトグラフィーを用い、残存モノマーから算出した。またポリマーの物性はガラス転移温度と分解温度により評価した。開始剤にサレン-アルミニウム錯体を用いると、重合速度は1次速度則に従っていた。また、ラセミ体よりメソ体の重合速度の方が大きかった。同様に、ジエチルアルミニウムクロライド/D-マンニトールを用いた場合も、メソ体の方を速く消費していた。ところが、ジエチル亜鉛/D-マンニトールを用いると、重合はラセミ体を速く消費して進行し、用いた触媒の中心金属の違いにより立体選択性が異なっていた。^<13>C-NMR測定による構造解析の結果、触媒によりポリマーの主鎖構造が異なっていた。これは成長反応が起こる際に、ポリマー末端とモノマーの分子間での立体選択性が、触媒によって異なっているためと考えられる。またこの主鎖構造の違いにより、ポリマーのガラス転移温度に変化が見られた。また生分解性は、リパーゼによる加水分解で評価した。50℃のリン酸緩衝溶液(pH7.4)中で7日間反応させたところポリマーの分子量が低下し、生成ポリエチルグリコリドも生分解性を有することが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshifumi Satoh: "Bulk Cyclopolymerization of 1,2:5,6-Diepithio-3,4-di-O-methyl-1,2:5,6-tetradeoxy-D-mannitol with Quaternary Ammonium Salts Leading to Gel-free Thiosugar Polymer"J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed. 40・8. 965-970 (2002)
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[Publications] Atsushi Narumi: "Glycoconjugated polymer. I. Synthesis and characterization of amphiphilic polystyrenes with glucose,maltose,and maltohexaose as hydrophilic segments"J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed. 39・23. 4061-4067 (2001)