2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750813
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松見 紀佳 東京農工大学, 工学部, 助手 (40323745)
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Keywords | イオン伝導性高分子 / 有機ホウ素高分子 / ヒドロボレーション重合 / シングルイオン伝導体 / エネルギー貯蔵 |
Research Abstract |
種々のオリゴエチレングリコール、オリゴエチレンオキシド鎖を有するジエンモノマーとメシチルボランとの脱水素カップリング重合及びヒドロボレーション重合により、それぞれに対応するホウ酸エステルユニット、アルキルボランユニットを有する有機ホウ素系高分子固体電解質の合成に成功した。まず、種々の塩をこれらのポリマーに溶解させイオン伝導度の温度依存性について測定を行ったところ、50℃において3.05x10^<-5>〜5.22x10^<-6>S/cmの伝導度が観測された。また、リチウムイオン輸率の測定を行ったところ室温において0.35〜0.50のリチウムイオン輸率が観測され、ホウ素原子による有意なアニオンのトラップ効果が観測された。よりルイス酸性の高いアルキルボランユニットを有するポリマーは比較的高いリチウムィオン輸率を示した。次に、これらのポリマーを有機リチウム試薬との高分子反応によってボレート型ポリマーに変換することを試みた。フェニルリチウムを用いて反応を行ったところ、選択的なボレートの形成が^<11>B-NMRスペクトルにより確認され、9.45x10^<-7>S/cmの伝導度が観測された。また、イオン輸率の測定を行ったところ、0.82と高い値が得られた。次に、リチウムボレート塩の解離性の向上を目的として、ナフチルリチウム、アントリルリチウム、ペンタフルオロフェニルリチウムについて検討したところ、得られたボレートポリマーのイオン伝導度は1.13x10^<-5>〜1.30x10^<-5>S/cm(50℃)まで向上した。π-共役系の広がりや電子吸引効果に伴うボレートアニオンの安定化により、リチウムイオンのサイトホッピングエネルギーが低下したためと考えられる。また、高分子反応に伴う側鎖への更なるアリール基の導入を避けることを目的として、リチウムメシチルヒドロボレートを用いた重合を試み、対応する高分子固体電解質の合成に成功した。得られたポリマーは最大で6.23x10^<-5>S/cm(50℃)のイオン伝導度を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松見紀佳, 菅井一紀, 大野弘幸: "Selective Ion Transport in Organoboron Polymer Electrolytes Bearing a Mesitylboron Unit"Macromolecules. 35. 5731 (2002)
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[Publications] 松見紀佳, 菅井一紀, 大野弘幸: "Ion Conductive Characteristics of Alkylborane Type and Boric Ester Type Polymer Electrolytes Derived from Mesitylborane"Macromolecules.