2001 Fiscal Year Annual Research Report
電解質多糖をベースとする磁性金属酸化物内包型ハイブリッド材料の作製と特性解析
Project/Area Number |
13750824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮下 美晴 東京農工大学, 工学部, 助手 (00293259)
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Keywords | アルギン酸 / 酸化鉄 / ゲル / 刺激応答性 / 超伝導量子干渉磁束計 / 超常磁性 / 強磁性 |
Research Abstract |
アルギン酸ナトリウムの水溶液を種々の鉄塩(FeCl_2、FeCl_3、FeS0_4、Fe_2(S0_4)_3)の水溶液に浸漬してキレート錯体形成による架橋を施し、鉄イオン内包アルギン酸ゲルを作製した。このゲルをCa(OH)_2、Sr(OH)_2、Ba(OH)_2のいずれかの水溶液に浸漬して加熱しながら、過酸化水素水を滴下して酸化処理を施し、酸化鉄内包アルギン酸ゲルを得た。得られた試料について、SEM観察および磁化特性評価を行った。 SEM観察の結果、鉄塩としてFeCl_2、FeSO_4を用いて作製した試料では、金属光沢をもつ構造物の存在が確認された。一方、鉄塩としてFeCl_3、Fe_2(SO_4)_3を用いて作製した試料中には、金属の存在は認められなかった。 超伝導量子干渉磁束計を用いて試料の磁化特性評価を行ったところ、FeCl_3、Fe_2(SO_4)_3で架橋した試料は酸化処理の前後でともに常磁性であったが、FeCl_2、FeSO_4で架橋した試料は、酸化処理前は常磁性を、酸化処理後には超常磁性もしくは強磁性を示すことがわかった。また、酸化処理時のアルカリ溶液の種類および濃度が、磁化特性に影響を与えることが明らかになった。 現在、マトリクスとしてアルギン酸にポリビニルアルコールをブレンドした複合体を用いて、磁性酸化鉄内包ハイブリッドの作製を試みている。また、多糖/合成ポリマー複合体をマトリクスとする系へ本研究を展開するための準備として、セルロース誘導体とビニルポリマーからなるブレンドに関する研究を行った。さらに、新しい有機/無機ハイブリッド材料を設計していくための準備として、合成高分子/無機塩、多糖/無機イオン複合系の構造および物性に関する研究を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 西尾嘉之: "複合化によるセルロース系多糖の新しい機能化"繊維学会誌(繊維と工業). 57・7. 192-196 (2001)
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[Publications] Shigemitsu Murase: "Structural Characteristics and Moisture Sorption Behavior of Nylon 6-Clay Hybrid Films"Jounal of Polymer Science : Part B : Polymer Physics. 40. 479-487 (2002)
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[Publications] Yoshiharu Miyashita: "Miscibility of Cellulose Acetate with Vinyl Polymers"Cellulose. (印刷中).
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[Publications] Yoshiyuki Nishio: "Salt Addition Effects on Mesophase Structure and Optical Properties of Aqueous Hydroxypropyl Cellulose Solutions"Polymer Journal. (印刷中).