2001 Fiscal Year Annual Research Report
パルスプラズマ法による高分子表面の改質と活性種濃度の関係
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13750828
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
成島 和男 静岡大学, 工学部, 助手 (40303531)
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Keywords | 表面改質 / 分解反応 / パルスプラズマ / ラジカル / イオン / ポリマー |
Research Abstract |
プラズマを用いたポリマー表面の表面改質では、官能基の生成に加え、低分子分解物の分解が起きる。このポリマー鎖の分解を最小限にするために、プラズマをパルス変調する手法(パルスプラズマ法)検討した。高分子材料としては、基本的な構造を持つポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィン系のポリマーや、プラズマ中の電子やイオンの影響を受けやすい、ポリアリルエーテルエーテルケトン(PEEK)、さらにポリテトラフルオロエチレンを用いた。今年度に行った研究によって得られた成果は、以下の通りである。 1.プラズマに含まれる活性種濃度の数値計算を行った。この結果、プラズマ中のイオン、電子の相対濃度が、ラジカルよりも減少することが分かった。 2.パルスプラズマ法は、従来の連続波によるプラズマ法に比べ、ポリマー鎖の分解が抑えられる。この結果は、1.の数値計算を支持している。 3.XPS測定や、接触角の測定の結果、パルスプラズマ法は、高分子表面を改質する。 4.ポリオレフィン系のポリマーや、ポリアリルエーテルエーテルケトンの場合、表面の化学構造をXPSで測定したところ、パルスプラズマ法と、連続波によるプラズマ法では、表面の化学組成におおきな変化がなかった。このため、表面の濡れ性も変化がない事が予想されるが、水の接触角の測定結果は、この考えを支持している。 5.ポリオレフィン系については、表面の官能基の生成量は、パルスプラズマ法の方が、連続波によるプラズマ法によるものよりも多い。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N. INAGAKI, S. TASAKA, K. NARUSHIMA, K. TERANISHI: "Surface Modification of Poly (tetrafluoroethylene) with pulsed hydrogen plasma"J. Appl. Poly. Sci.. 83. 340-348 (2002)
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[Publications] K. NARUSHIMA et. al.: IUPAC Polymer Conference (IUPAC-PC2002). (発表予定).