2002 Fiscal Year Annual Research Report
キャスティングを用いた故障人工衛星の衝撃カスラストによる姿勢制御に関する研究
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13750843
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
能見 公博 香川大学, 工学部, 助教授 (20325319)
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Keywords | テザー / ロボット / マニピュレータ / 軌道制御 / 衝突・接触 / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は,テザーに連結された球を母船搭載マニピュレータで投げるキャスティング法を用いて,球を故障人工衛星に衝突させることにより姿勢制御を行う手法を,ソフトウエアシミュレーションにより評価することを目的としている.まず,母船搭載マニピュレータ・故障人工衛星・テザー連結球のモデリングを,汎用機構解析ソフトウエアADAMSを用いて行った.基本的にADAMSは,剛体要素の拘束・作用力関係を用いて連結するモデリングである.ここではテザーを無質量と仮定し,伸縮・たわみを無視することとし,母船搭載マニピュレータ手先と球の間に張力のみ作用するモデルとした.また,故障人工衛星とテザー連結球は衝突が発生するモデリングを行った.次に,キャスティングにおけるテザー連結機器の移動軌道修正制御法を,ADAMSに設定した.一方で,テザーの質量・伸縮・たわみを考慮した基礎的な伸展・回収シミュレーションを,ADAMSを用いて行った.このシミュレーションでは,テザーを要素分割した剛体により表現し,伸展・回収は鉛直方向のある高さの一点において,テザーを横方向に拘束することにより表現した.また,テザー先端球は多剛体系とし,球の姿勢制御を行うことにより伸展・回収中にテザーが絡まるなどの危険性を回避する制御を用いている. ところで,テザーの剛体による要素分割表現は,機械力学的観点から問題が多く,正確に連続体を表現しているとは言えない.そこで有限要素法を用いてモデル化し,伸展回収時に大変位・大変形を伴う場合の運動解析手法について検討した.そして,この運動解析のために適用する非線形有限要素を用いた運動解析法,ならびにこの妥当性を検討するために行われた基礎実験との比較検討を行った.
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[Publications] M.Nohmi: "Space Casting Deployment Under Influence of Mother Spacecraft Orbital Motion"Machine Intelligence and Robotic Control, MIROC. 16. 169-179 (2001)
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[Publications] 能見公博, 曄道佳明, 曽我部潔: "弦下端に取り付けられた剛体系の姿勢制御"日本機械学会論文集(C編). 67・664. 3808-3814 (2001)
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[Publications] M.Nohmi, D.N.Nenchev, M.Uchiyama: "Tethered Robot Casting Using a Spacecraft mounted Manipulator"AIAA Journal of Guidance, Control, and Dynamics. 24・4. 827-833 (2001)