2001 Fiscal Year Annual Research Report
非線形影響を考慮した船体応答の確率的及び統計的性質に関する理論的研究
Project/Area Number |
13750848
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
箕浦 宗彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30294044)
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Keywords | 確率微分方程式 / フォッカープランク方程式 / 確率密度関数 / 長期予測 / 実船計測 / 非線形性 |
Research Abstract |
波浪中での船体応答の確率密度関数を明らかにする目的で、船体応答を2つの側面から確率的及び統計的に検討した。ひとつは(A)短期海象中での船体応答の確率密度関数であり、もうひとつは(B)有義波高の長期的な確率密度関数である。 (A)については、波浪中の船体上下運動の運動方程式の外力成分に確率成分を付加した確率微分方程式でモデルを構築した。波高の非線形性は運動方程式の減衰力係数に取り入れられている。この微分方程式を解けぱ、波高の非線形性を考慮した船体上下運動の確率密度関数が求められるが、これについては実験値との比較も含め、さらなる検討が必要である。さらに、他の応答についてもモデル化を行う予定である。 (B)については、有義波高の時間的な変動の特性を実測値を用いて詳細に検討することで、その時間変動を確率微分方程式でモデル化した。ただし、有義波高は海洋中のブイで定点観測されたものである。これにより、短期海象の長期的な有義波高の変化を時系列で連続的にシミュレーションすることが可能となった。さらに、その方程式を解くことにより有義波高の確率密度関数を求めた。この密度関数を有義波高の実測値から得られた頻度分布と比較したところ、このモデルは実測値とよく一致し、モデルの妥当性が明らかとなった。今後は、このモデルを航海中の船舶が遭遇するモデルに拡張するとともに、平均波周期の確率密度関数についても明らかにする予定である。
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