2001 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型地熱貯留層計測のためのアサイスミックき裂のAE発震機構に関する研究
Project/Area Number |
13750858
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森谷 祐一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60261591)
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Keywords | AE / アサイスミック / 地熱 / HDR / き裂 / 地震 / せん断滑り / 岩石 |
Research Abstract |
本研究は、水圧破砕による人工地下き裂貯留層造成の際、AE・微小地震を発生しない高透水性き裂内での物理現象を、室内実験および実フィールドデータの解析により明らかにすることを目的とする。本年度は、以下のように研究を進めた。 実験システムの構築 封圧下で2つ割の岩石試験片(φ60mm)のせん断滑り量とその際に発生するAEを計測可能な実験装置および計測システムを構築した。本システムは、耐封圧20MPaの容器(SUS304製)、高剛性試験機(1066kN/mm,50kN)、AEセンサー(100〜500kHz)、水圧下で岩石のせん断変位量を直接測定するひずみゲージ付カンチレバー変位計より構成される。 変位制御によるせん断滑り実験 き裂面から開放されるひずみエネルギー量とAEの発震効率は、せん断滑り時のAEの発生量、単位滑り量あたりの発生数で置き換えられると考えて試験を行った。予備実験として、2つ割の花崗岩試験片を使用し、封圧最大20MPaの水圧下、変位制御によりSlide-Hold-Slide(定速度滑り-滑りを停止の後に一定時間保持-定速度滑り)試験を実施した。ここでは、Hold時間、垂直応力、せん断表面力を変化させて実験を行いAEの発生数、摩擦係数の変化を計測した。本年度の実験では、間隙水圧を考慮しない他の研究者らによる実験結果との比較による本研究での実験法の妥当性を評価するために、き裂内の間隙水圧を加えずに実験を行った。 これまでの実験の結果、AEの発生量と単位滑り量あたりのAE発生数は、垂直応力、表面粗さに依存することがわかった。一方、力学的に安定したせん断すべりを実現させるためには径の小さい試験片で実験を行う必要があることもわかった。本結果は、国内学会の口頭発表により報告した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 根本, 森谷, 新妻, 中谷, Evans, 矢部: "花崗岩模擬き裂面の安定すべりにおけるAEレートのパラメータ依存性"日本地震学会2001年秋季大会予稿集. C54 (2001)