2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750859
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠田 弘造 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10311549)
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Keywords | 化合物半導体 / 金属硫化物 / エネルギー変換 / カーボンナノチューブ / 可視光利用 / 水素生成 |
Research Abstract |
本研究はカーボンナノチューブがもつ特異な電子伝導特性を利用して、硫化物半導体の光触媒反応における電子授受効率を向上させることを目的としている。対象とする光触媒反応は、塩基性硫化水素からの水素生成である。昨年度すでに、硫化亜鉛ZnSを用いることにより紫外領域での光触媒活性を向上させることに成功している。そこで本年度は、波長約500nm以下の可視光が利用可能な硫化カドミウムCdSに適用した。まず、液相法により平面基板上にCdS薄膜を析出させる実験を行い、その最適条件を決定した。続いて実際にカーボンナノチューブ(CNT)を基体として、複合光触媒材料の作製を試み、その光物性および光触媒特性を評価した。 CdS薄膜析出実験では金属イオン・硫化物イオン供給源を含む水溶液中からの析出反応を利用する。この際金属はアンミン錯体形成により、そして硫化物イオンはチオ尿素として与えることによりイオン供給速度を抑制し、基板表面上に選択的に析出させる。使用する錯形成剤の違いにより、析出形態や結晶系の異なるCdS薄膜が得られることが分かった。錯形成剤にアンモニアを用いた場合、基本結晶子サイズ数十nmの閃亜鉛鉱型粒子が析出した。 炭素素材を基体とする複合素材の作製と光触媒特性評価においては、基体にはCNTの他にグラファイト、カーボンブラックを用いたが、CNT利用時は他より高い活性を示した。この光触媒素材の特筆すべき点は、通常半導体不均一系光触媒に不可欠な白金担持を必要としないことである。 基体に使用した単層および多層CNTはいずれも直径(数nm〜数十nm)に対し極めて長い(数μm)ため、チューブ先端付近に析出したCdSはごくわずかである。CNTの伝導特性が長さ方向に顕著であることを考慮すると、より短いチューブを用い、その先端部での接合をより多く得ることがさらなる光触媒特性向上に繋がるものと期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Shinoda, T.Arai, H.Ohshima, B.Jeyadevan, A.Muramatsu, K.Tohji, E.Matsubara: "Local Atomic Structure and Electronic State of ZnS Films Synthesized by Using CBD Technique"Materials Transactions. 43・7. 1512-1516 (2002)
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[Publications] K.Shinoda, B.Jeyadevan, M.Kasai, I.Nakatani, H.Oka, K.Tohji: "Characterization of Inherent Clusters in Water-based Magnetic Fluid"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 141. 141-143 (2002)
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[Publications] T.Kudo, Y.Akimoto, K.Shinoda, B.Jeyadevan, K.Tohji: "Characterization and Structures of Dimeric C_<70> Oxides, C_<140>O, Synthesized with Hydrothermal Treatment"Journal of Physical Chemistry B. 106. 4383-4389 (2002)
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[Publications] B.Jeyadevan, C.N.Chinnasamy, O.Perales-Perez, Y.Iwasaki, A.Hobo, K.Shinoda, K.Tohji, A.Kasuya: "Synthesis and Magnetic Properties of Core-Shell Structured (NiCo)O(AFM)-NiCo(FM)"IEEE Transitions on Magnetics. 38. 2595-2597 (2002)
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[Publications] 篠田弘造, 田路和幸, 宇田川康夫, (太田俊明編): "X線吸収分光法-XAFSとその応用-"株式会社アイピーシー. 293 (2002)