2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現プロファイル解析によるオオムギの春化関連遺伝子の同定と機能解析
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13760002
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
木藤 新一郎 岩手大学, 農学部, 助教授 (60271847)
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Keywords | 春化 / 低温 / オオムギ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究は、申請者が以前の研究で単離した約300種類の春化関連候補遺伝子の中から、その発現変動が春化により強く連動するものを同定し、春化機構への関与を探ることを目的として行った。 まず、300種類の候補遺伝子をPCRを用いて増幅し、一定濃度に調製した後ナイロンメンブランにドットブロット装置を用いてブロッティングした。そして、この操作を繰り返すことで複数のDNAアレイを作成し解析に用いている。検出プローブの作成には、春化要求性が異なるオオムギ6品種(ホテイムギ、コウゲンムギ、ハルナムギ、ナカイズミザイライ、カイケイ22号、リクゼンムギ)を用いた。各品種を一定期間低温処理し、春化が完了する前後の時期にある茎頂分裂組織からmRNAを抽出し、ラジオアイソトープで標識された基質[α-32P]dATPとoligo-dTプライマーを用いて逆転写させたcDNAをプローブとした。各品種由来のプローブを用いて300種類の候補遺伝子とハイブリダイゼーションを行い、すべての品種で春化に連動して発現変動する遺伝子の探索を進めた。その結果、単独品種の春化要求性に連動して発現変動する遺伝子の存在は確認できるものの、すべての品種で春化に連動して発現変動している遺伝子の存在は確認できなかった。この結果は、用いた春化関連候補遺伝子の中に春化を制御している遺伝子が無かったことを示唆している。しかし、最近アラビドプシスで単離された春化関連遺伝子(vrn2)は恒常的に発現していることがわかっており、春化が遺伝子の発現レベルで制御されていない可能性もでてきた。もしそうであれば、遺伝子の発現変動を指標にした春化関連遺伝子の単離同定は困難であると考えられる。ただ、単独品種の春化要求性に連動して発現変動する遺伝子の中にはヒストンH1などのようなクロマチン構造の維持に関するものが複数含まれており、春化にクロマチン構造の変化が関与している可能性は見いだすことができたと考えている。この成果は、春化研究を進める上で非常に有益な情報であり、この成果を土台にさらなる解析を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kato, K., Kidou, S., Miura, H., Sawada, S.: "Molecular cloning of the wheat CK2α gene and detection of its linkage with Vrn-A1 on chromosome 5A"Theor.Appl.Genet.. 104. 1071-1077 (2002)