2001 Fiscal Year Annual Research Report
コムギと近緑種における超変異クローンの多型解析と活性型レトロトランスポゾンの同定
Project/Area Number |
13760006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宅見 薫雄 神戸大学, 農学部, 助手 (50249166)
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Keywords | コムギ / 変異 / RFLP / トランスポゾン / ゲノム |
Research Abstract |
パンコムギのRFLPクローンpTag546は品種間で超多型性を示す。パンコムギゲノム中で3つのゲノムの様々な染色体上に散在していることから本配列は転移因子の1種だと考えられている。本研究ではpTag546のもつ超多型性の原因を探るために、この配列を含むゲノミッククローンの解析とサザン分析を行った。パンコムギ品種Chinese Springと祖先野生種Aegilops speltoidesから超変異性を示す領域(約1,360bp)をPCR増幅しクローン化した。クローンの塩基配列を比較すると種内・種間共に95%以上の高い相同性を示した。'Chinese Spring'ゲノムlibraryからpTag546を含むTACクローンを1つ単離し、pTag546周辺領域約11kbの塩基配列を決定した。相同性検索からは配列中に既知の遺伝子はなく、Secale cerealeの超変異性配列の一部と相同性を示す短い配列以外のどのような配列とも相同性を示さなかった。pTag546の配列とは約3.1kbにわたり96%の相同性を示した。この領域の前後には92bp,140bpのタンデムな繰返し配列があり、さらにその外側に5-20bpの短い繰返し配列が多数ある領域が存在した。pTag546の周辺領域を13領域に分割してクローン化し、それぞれをプローブとしてサザン分析を行った結果、pTag546と同じRFLPパターンを示す領域が約3.5kbに及ぶことが明らかになり、この領域がpTag546の超変異性に必須であることが示唆された。この領域内には転移能を示唆する構造上の特徴は含まれていなかった。コムギ・エギロプス属の2倍種合計115系統を用いて本配列の分布を調べた。この配列は普通系コムギの祖先2倍種内ではBゲノム親とされているAe. speltoidesにのみ多コピー存在し、倍数化の過程でB(S)ゲノムからA、Dゲノムに座乗染色体を増やしたことが示唆された。
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