2002 Fiscal Year Annual Research Report
水稲の非伸長節間の肥大生長過程の解明および茎の太さと穂の諸形質との関連性の解析
Project/Area Number |
13760014
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Research Institution | Miyagi Agricultural College |
Principal Investigator |
中村 聡 宮城県農業短期大学, 講師 (00289729)
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Keywords | 茎 / 水稲 / 播種密度 / 非伸長節間 / 肥大生長 / 深水処理 / 太さ / 穂 |
Research Abstract |
平成14年度は、(1)育苗期の非伸長節間に及ぼす播種密度、施肥量の影響、(2)非伸長節間・伸長節間および茎内部形態に及ぼす深水処理の影響(ポット試験)、(3)茎の諸形質と穂の大きさに及ぼす栽植密度、深水処理の影響(圃場試験)に関する試験を行った。供試品種は全てササニシキ。 (1):栽植密度が低いほど、また施肥量が多いほど節間が長かった。疎植多肥区での節間の太さは、短径が少肥区よりも太いためであった。 (2):1/5000aポットに葉齢4.7の苗(薄播き)を3個体/ポット移植。慣行区(地際から数cmの水深で管理)、深水区(水位が最上位展開葉のカラーより数cm上になる深水処理(葉齢5.0〜出穂期))、中断期(節間伸長期まで深水処理、以後慣行区と同様)を設置。中断区では、深水処理終了後、草丈は慣行区と同様に推移し、茎数は増加して出穂期には慣行区よりも多くなった。深水区の伸長節間の太さは他区より太かったが、中断区は慣行区と同様または細かった。節間の大維管束数は区間で大きな差はなかったが、小維管束数は深水区でやや多かった。第IV節間の破生通気組織数は深水区で最も多く、1組織当たりの面積も大きかった。中断区の組織数は慣行区よりも少なく、面積も小さい傾向だった。深水処理が節間の太さに及ぼす影響は第7葉展開時頃に現れ、深水区の節間の長径(分げつが出現する方向の径)が慣行区よりも太かった。 (3):(2)と同じ苗を用い、1株1本植えと5本植えの区を設け、(2)と同様な水管理を行った。草丈は(2)と同様な傾向だったが、中断区の有効茎数は深水区よりもやや少なかった。1株穂数が多いほど第I節間の太さが有意に細くなった。第I節間の太さが太いほど1穂籾数が有意に多かった。1穂登熟粒数は深水区、中断区が慣行区よりも多かった。登熟歩合、千粒重は中断区>深水区>慣行区の順であった。1穂籾重は中断区が最も重かったが、倒状指数は中断区が最も小さかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中村 聡, 斎藤満保, 後藤雄佐: "水稲苗の茎基部の形質に及ぼす播種密度の影響"日本作物学会東北支部会報. 45号. 13-14 (2002)
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[Publications] 中村 聡, 斎藤満保, 後藤雄佐: "水稲貯水型深水管理を中断した場合の生育と収量"日本作物学会紀事. 第72巻別号1(発表予定). (2003)