2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経作用性殺虫剤のニコチン性アセチルコリンレセプターに対する作用機構の解明
Project/Area Number |
13760041
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
永田 啓一 理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 研究員 (40282321)
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Keywords | スピノサッド / アセチルコリンレセプター / パッチクランプ法 / ホールセル / 選択毒性 |
Research Abstract |
1.スピノサッドはアセチルコリンレセプターに作用することが知られているが、その詳細な機構はいまだ不明である。そこでスピノサッドのアセチルコリンレセプターに対する作用について、ホールセルパッチクランプ法により調べた。 2.スピノサッドはスピノシンAとスピノシンBの混合物である。そこでそれぞれの物質について分離した差アンプルを用いて実験を行った。 3.スピノシンA, Bともにほぼ同等の作用を示した。両化合物はそれ自身がアセチルコリンレセプターを活性化するとともに、両化合物をアセチルコリンとともに処理すると抑制作用を示した。 4.詳細なカイネティクス分析の結果から、両化合物はアセチルコリンレセプターを脱感作することによって抑制作用を示すことが明らかとなった。 5.昆虫と哺乳類由来の細胞を用いた比較実験により、両化合物は昆虫細胞に対して非常に高い作用を示し、その差は1000倍以上であった。このことが、両化合物、およびスピノサッドの高い選択毒性のひとつの重要な要因であることが明らかとなった。
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