2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13760049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
豊田 剛己 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (30262893)
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Keywords | Ralstonia solanacearum / 堆厩肥 / 有機物 / 生物防除 / トマト青枯病 |
Research Abstract |
トマト青枯病発生程度は名古屋大学農学部付属農場化学肥料連用土壌(化肥区)に比べ堆厩肥(40t, 400t ha^<-1> y^<-1>)連用土壌(慣行区と厩肥区)において著しく抑制された。また、薬剤耐性変異株を用い土壌環境中での病原菌の動態を追跡したところ、トマト青枯病菌は化肥区では非根圏、根圏、植物体内のいずれにおいても高密度で検出されたが慣行区、厩肥区では非根圏においてある程度の生存が認められたが、根圏、植物体内ではほとんど検出されなかった。慣行区、厩肥区で発病が軽減された原因として、植物体への感染・増殖が抑制されていることが推察された。この原因解明の第一歩として、土壌を60度30分の熱処理、あるいは120度15分のオートクレーブ殺菌処理を行い、土着微生物の一部あるいはすべてを死滅させた。発病程度は熱処理の有無にほとんど影響を受けなかったことから、慣行区および厩肥区のトマト青枯病抑制能は土壌に元々生息する微生物に由来するのではなく、その他の熱に安定な要因であることが示唆された。慣行区、厩肥区は堆厩肥の施用により化肥区と比べ各種の無機養分含量が高くなっているため、化肥区土壌にCaを含む各種養分を添加して発病程度に及ぼす影響を検討した。若干化肥区における発病が軽減されたが、依然慣行区に比べると高い発病率であったことから、慣行区、厩肥区の青枯病抑制能に対する無機養分の寄与は小さいと推察された。化肥区に慣行区を混合すると、その割合に応じて化肥区の発病度が軽減されたことから、慣行区には何らかの発病抑制効果が存在し、それはトランスファーされることが分かったが、その実態については現在の所不明である。
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