2001 Fiscal Year Annual Research Report
リグニン主要分解中間体・シリンガ酸の代謝に関与する新規芳香環開裂系遺伝子群の解析
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13760062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
政井 英司 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20272867)
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Keywords | リグニン / シリンガ酸 / バニリン酸 / 生分解 / 代謝経路 / プロトカテク酸4, 5-開裂経路 / 3-0-メチルガリック酸 / 芳香環開裂酵素遺伝子 |
Research Abstract |
木質成分のリグニンは自然界で最も多量に存在する天然芳香族化合物であり、その有効利用法の確立が望まれている。Sphingomonas paucimobilis SYK-6株は様々なリグニン二量体化合物の分解能を有し、本株の分解酵素系はリグニンの有用物質への変換系の構築に有用な道具になると考えられる。リグニン二量体化合物はSYK-6株によりバニリン酸およびシリンガ酸へと変換され、それぞれ脱メチル化を受けプロトカテク酸(PCA)、3-O-メチルガリック酸(3MGA)へ変換された後、PCA4, 5-開裂経路で代謝されると考えられていた。しかし最近、我々は3MGAがPCA4, 5-dioxygenase(LigAB)とは異なる芳香環開裂酵素によって開裂を受けて代謝され、4-oxalomcsaconateでPCA4, 5-開裂経路に合流することを明らかにした。そこで本研究ではシリンガ酸代謝経路の全容解明を目的とし、3MGAに特異的な芳香環開裂酵素遺伝子の単離と解析を行った。 SYK-6株の遺伝子ライブラリーから3MGAに対する分解活性を大腸菌に付与するDNA断片を単離した。本断片に見いだされたORF(desZ)の推定アミノ酸配列は、SYK-6株の芳香環開裂酵素LigB、LigZが含まれるtype IIのextradiol dioxygenaseと約20%の相同性を示し、DesZが3MGAの芳香環開裂に関与するdioxygenaseであることが示唆された。大腸菌で発現させたdesZ遺伝子産物は3MGAに特異的に活性を示し、PCAに対して活性を示さなかった。またdesZがシリンガ酸分解中に転写されていることがRT-PCRによって明らかとなった。以上の結果からdesZがligAB以外に3MGAの芳香環開裂に関与していることが強く示唆された。
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