2001 Fiscal Year Annual Research Report
食品機能性成分の硫酸転移酵素による作用機構に関する研究
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13760073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
榊原 陽一 宮崎大学, 農学部, 助手 (90295197)
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Keywords | 硫酸転移酵素 / 硫酸化 / 食品機能性成分 / イソフラボン / エストロゲン / ポリフェノール |
Research Abstract |
硫酸化は広く生体外異物の解毒代謝に関与すると同時に、エストロゲン硫酸転移酵素のように、ホルモン作用の特異的スイッチオンそしてオフの制御にも関わっていることが知られている。特にヒドロキシル基またはアミノ基を持つ「内分泌かく乱物質」の生体内代謝における硫酸化の関与は、ホルモン制御に大きく影響していることが推察される。食品成分として知られるイソフラボンの機能性が現在、注目を集めている。イソフラボンはエストロゲン様作用を持ち、女性の更年期障害や骨粗鬆症の改善に有効な作用があると考えられている。これは、イソフラボンがエストロゲンとの構造の類似性によりエストロゲン受容体に結合することによると考えられている。そこでエストロゲンの体内濃度調節機構の一つである硫酸化に着目し、イソフラボンの機能性とエストロゲン硫酸化の関係について検討を行った。 その結果、イソフラボンであるダイゼインとグリシテインはヒトM型およびP型フェノール硫酸転移酵素により硫酸化されることが判明した。M型およびP型フェノール硫酸転移酵素はエストロゲン類の硫酸化に関与することが知られていることより、エストロゲンとイソフラボン類の競合試験を行った。その結果、イソフラボン類がエストロゲンの硫酸化を強く阻害することが判明した。エストロゲンとしてβ-エストラジオールとエストロンを使用し、それぞれに対してダイゼインよりもグリシテインが10倍程度強い阻害活性を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Pai, TG., Suiko, M., Sakakibara, Y., Liu, M.C.: "Sulfation of Flavonoids and Other Phenolic Dietary Compounds by the Human Cytosolic Sulfotransferases"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 285. 1175-1179 (2001)
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[Publications] Sakakibara, Y., Suiko, M.et al.: "Highly conserved mouse and hunm brain sulfotransferases : Molecular cloning, expression and functional characterization"Gene. (in press). (2002)
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[Publications] 榊原陽一, Liu, M.C., 水光正仁: "フェノール硫酸転移酵素遺伝子ファミリーの機能と構造"生化学. (印刷中).
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[Publications] 榊原陽一, 水光正仁: "生物機能研究の進歩I"ドーパおよびチロシンとその関連化合物の硫酸化とその生理機能(印刷中). (2002)
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[Publications] 水光正仁, 榊原陽一: "生物機能研究の進歩I"硫酸化による"環境ホルモン"を排泄する機構(印刷中). (2002)