2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖修飾がユビキチン依存性蛋白質分解に関与する可能性
Project/Area Number |
13760079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
吉田 雪子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90271543)
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Keywords | N型糖鎖 / レクチン / ユビキチンリガーゼ / F-box蛋白質 / 小胞体関連分解 |
Research Abstract |
膜蛋白質や分泌蛋白質の多くはアスパラギン結合型(N型)糖鎖が付加している。この糖鎖構造は多種多様であり、外からの刺激などにより劇的に構造変化する現象は昔から知られているが、糖鎖の持っ生物学的意義はまだあまり解明されていない。N型糖鎖の生三合成に関与する酵素に変異のある遺伝病の多くは神経疾患であることから、N型糖鎖は脳・神経組織の形成・維持・管理に重要な役割を果たしているものと考えられる。そこで、マウス脳由来の蛋白質より様々なN型糖鎖のプローブを用いてN型糖鎖結合蛋白質のスクリーニングを行ったところ、ユビキチンリガーゼの基質認識ユニットであるF-box蛋白質NFB42/Fbx2を単離した。平成13年度は、Fbx2を含むSkp1-Cullinl-F box複合体(SCF複合体)が実際にN型糖鎖を認識してリガーゼ活性を有することを試験管内の再構成系を用いて明らかにした。さらに、Fbx2が認識する糖鎖構造を種々の糖蛋白質糖鎖を用いて解析した結果、小胞体で合成される高マンノース型糖鎖であることも明らかにした。また、Fbx2が基質となる糖蛋白質と出会う場は細胞質であり、細胞質中で基質である糖蛋白質をユビキチン・プロテアソーム系により分解に導くこと、いわゆる小胞体関連分解に関与していることを示した。以上の結果より、Fbx2は脳・神経細胞内で、蛋白質の品質管理を行っている蛋白質である可能性が示唆された。
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