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2001 Fiscal Year Annual Research Report

ヒバ・アスナロ天狗巣病菌の生活環の解明と病原菌個体群の遺伝的解析

Research Project

Project/Area Number 13760114
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

今津 道夫  信州大学, 農学部, 助教授 (30261770)

Keywordsヒバ・アスナロ天狗巣病 / さび病菌 / 生活環 / 異種寄生 / 同種寄生 / 核相交代 / 遺伝的解析 / リボソームDNA
Research Abstract

平成13年度は、青森県下北・津軽地方、福島県南会津地方のヒバ天然林、石川県能登地方のアテ(ヒバ)造林地、長野県八ヶ岳のクロベ天然林において天狗巣病の発生調査を行い、病原菌試料を採集した。下北・津軽と能登の天狗巣病発生地では病原菌が宿主交代を行わずに、同種寄生型生活環を送っていることが強く示唆されたが、南会津と八ヶ岳の発生地では中間宿主であるカバノキ属植物が生育しており、これらにも病原菌の発生が多数認められ、異種寄生型生活環を送っていることが明らかとなった。各発生地で採集した病原菌試料について解剖学的および細胞学的研究を行い、病原菌の生活環における核相交代を明らかにした。その結果、ヒバ・クロベ上の精子、さび胞子、カバノキ属植物上の夏胞子、冬胞子の各胞子世代はいずれも核相の点で異種寄生型さび菌において知られているものと相違は認められなかったが、ヒバ・クロベ上の罹病部の菌糸は2核性であり、また冬胞子の発芽により減数分裂を経て生じる1核性の担子胞子はその後1回の核分裂を経て2核性の発芽管を生じることが明らかとなった。したがって、核相交代の点からさび胞子の感染によるヒバ・クロベ上での同種寄生型生活環とカバノキ属植物を経て担子胞子の感染による異種寄生型生活環のいずれも起こりうることが示唆された。さらに各発生地の病原菌個体群についてのリボソームRNA遺伝子の解析では、発生地によって病原菌個体群の遺伝的変異の程度が異なり、同種寄生型生活環を送っている個体群では遺伝的変異がきわめて小さかったのに対して、異種寄生型生活環を送っている個体群では遺伝的変異が大きいという結果が得られた。これは異種寄生型生活環ではカバノキ属植物上の冬胞子世代において遺伝的組換えを生じているのに対して、同種寄生型生活環では遺伝的組換えを生じずにさび胞子の感染によってヒバ上で生活環を繰り返していることによると考えられた。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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