2001 Fiscal Year Annual Research Report
GISデータを利用した民有林における間伐頻度の計量経済分析
Project/Area Number |
13760118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
藤掛 一郎 宮崎大学, 農学部, 講師 (90243071)
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Keywords | 森林経営 / 間伐 / GIS / 林業 / 林業経済学 / 森林管理 |
Research Abstract |
時間間隔を分析するための統計手法と、それについての理論モデル構築に関する関連文献を収集し、生存時間分析と計数過程モデルを、間伐頻度(もしくは間伐間隔の分析に応用する方法を探った。その結果分析手法については一応の目途が立った。 また、予備調査としてGISを導入している複数の森林組合を訪問調査し、調査対象地区の絞り込み、関連情報の収集を行った。訪問した森林組合は、宮崎県耳川広域森林組合、高知県大川村森林組合(ただしGISは嶺北流域林業活性化センター)、徳島県木頭森林組合などであった。 そのうち1地区については、間伐履歴に関する資料を収集し、予備的な分析を行った。その結果、間伐履歴の資料を得て、間伐頻度の計量分析を行うことは、林家の間伐行動について、新たな知見を与えてくれることが分かった。とくに、林家によって間伐を繰り返し行うかどうかに、大きな差があること、間伐遅れが進む実態が、明らかとなった。この結果は2001年10月に林業経済学会で報告した。 ただし、一方で、間伐履歴の特定を行う際には、森林簿や森林基本図などの情報が必要だが、それらの精度が地域によっては必ずしも高くない場合がみられた。その場合、どの林分に対して間伐が行われたのか、情報の復元が難しいなど、資料の問題があることも明らかとなった。森林組合が日常業務において必要とする情報精度と研究のために要求される情報精度とに乖離があるためと思われる。そこで、次年度の本調査の対象としては、資料の精度の高い地域、森林組合を選ぶべく、選定作業中である.
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