2001 Fiscal Year Annual Research Report
オルトゴナルグリコシル化法を用いたブロックタイプセロオリゴ糖誘導体の精密合成
Project/Area Number |
13760132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 助手 (10293911)
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Keywords | セルロース / セロオリゴ糖誘導体 / オルトゴナルグリコシル化 / ブロックポリマー |
Research Abstract |
4種の合成ブロックの合成、オルトゴナルグリコシル化の基礎反応を本年度行った。 (1)合成ブロックとしてのセロビオース誘導体のデザインおよびその合成 Phenyl 2,3,6,2',3',6'-hexa-benzyl β-D-thio-cellobioside(1)セロビオースを出発原料にして、アセチル化、チオフェニル化、脱アセチル化、ベンジリデン化、ベンジル化、6'位へのベンジリデン基の還元開裂を経てメチル基を有さない合成ブロックを合成した。 Phenyl 4'-benzyl-2,3,6,2',3',6'-hexa-methyl β-D-thio-cellobioside(2)化合物1と共通ルートによって、Phenyl 4'. 6'-benzylidene β-D-thio-cellobiosideを合成した。その後、ベンジリデン化、メチル化、4'位へのベンジリデン基の還元開裂、メチル化を経てメチル基を有さない合成ブロックを合成した。この合成ブロックはチオフェニル基を有した状態での接触還元によるベンジル基の除去が困難であった。 Phenyl 4'-p-methoxybenzyl-2,3,6,2',3',6'-hexa-methyl β-D-thio-cellobioside(3)化合物1,2と同様のルートに従って合成したPhenyl β-D-thio-cellobiosideをパラメトキシベンジリデン化、メチル化、4'位へのベンジリデン基の還元開裂、メチル化し、メチル基を有する合成ブロックを合成した。 Phenyl 4'-p-methoxybenzyl-2,3,6,2',3',6'-hexa-pivaloyl β-D-thio-cellobioside(4)化合物3と同様のルートに従って合成したPhenyl 4'.6'-p-methoxybenzylidene β-D-thio-cellobiosideをピバロイル化、4'位へのベンジリデン基の還元開裂、ピバロイル化し、メチル基を有さない合成ブロックを合成した。この合成ブロック4は化合物1とは異なるアシル基で水酸基が保護されており、隣接基関与により立体規制が容易であることが期待される (2)チオフェニル基のフルオライド基への変換 一般にチオフェニルグリコシドは可逆的にフルオライドに変換可能である。そこで、チオフェニルグリコシドをN-ブロモスクシンイミド(NBS)・ジエチルアミノサルファートトリフルオリド(DAST)を用いてフルオライドに変換できることを確認した。
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