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2001 Fiscal Year Annual Research Report

干潟を成育場とする浅海性大型甲殻類の個体群動態機構の解明

Research Project

Project/Area Number 13760147
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

大富 潤  鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (10253915)

Keywords干潟 / 成育場 / クルマエビ / 産卵期 / 産卵場 / 加入 / 底生生物
Research Abstract

干潟を成育場とする甲殻類の代表種はクルマエビで,八代海においても本種は干潟域の群集を構成する種となっている。まず,本海域におけるクルマエビの産卵期を明らかにすることを目的に,採集した日と水深がわかっている雌個体の生殖腺指数と生殖腺の組織学的手観察により成熟解析を行った。卵巣卵の発達段階により,卵巣の成熟ステージは未熟期,成熟期,完熟期に分けられた。また,卵の吸収がみられるものは退行期として区別できた。完熟期の個体は表層胞の出現した前成熟期以降の卵を有する成熟個体で,生殖腺指数(GSI)が8以上の個体の多くは成熟個体であったが,各成熟ステージの個体のGSIはばらつきが大きかった。GSIの季節変化および標本中に成熟個体が出現する時期から,八代海における本種の産卵期は4〜9月と推定された。生後1年目と思われる小型個体はやや遅れて産卵に加わり,その産卵場は水深10〜20mの浅場であった。これらの知見については平成13年度日本甲殻類学会大会(東京)で発表した。
干潟での生息状況を調べるため,自製の電気ショッカーを用いて大潮の干潮時を中心に標本採集を行った。その結果,少なくとも72種の底生生物が採集されたが,クルマエビはCrangon uritai(エビジャコ科)やヒメハゼ,アミ類とともに優占した。本種は体長6〜116mmの個体が採集されたが,着底直後と思われる15mm未満の稚エビは6〜11月に出現した。時空間的に出現傾向を検討したところ,産卵期の早期に生まれた個体はその年の秋までに干潟を離れて漁場に加入するが,晩期に生まれた個体の多くはその年には加入せずに干潟で越冬し,翌年の早期に生まれた個体と同時期に干潟を離れることが示唆された。予備的に調査場所中央部の底質の粒度を求めたところ,中央粒径は0.22mmであった。

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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