2001 Fiscal Year Annual Research Report
魚類細胞におけるアスタキサンチン誘導性ヒートショック・プロテインの機能
Project/Area Number |
13760152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 俊樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10217797)
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Keywords | ヒートショック・プロテイン / アスタキサンチン / 魚類 / 魚類細胞 |
Research Abstract |
(1)ニジマス由来初代培養肝細胞の調製および細胞障害評価法の検討:魚類においては、種々のストレスにより肝臓におけるヒートショック・プロテイン(Hsp)の発現が顕著であることから、供試培養細胞として肝細胞を用いることとした。先ずニジマスより肝細胞の調製法を検討した結果、コラゲナーゼ灌流法により状態の良い遊離細胞を調製することが可能であった。細胞を10%ウシ胎児血清含有のLeivovitz'sL-15培地を用い培養し数日後にはモノレイヤーの初代培養細胞を得た。細胞障害の評価法は、膜障害の程度を培養液上清の遊離LDH活性により求める方法が簡便かつ迅速であった。(2)使用抗体の検討および培養肝細胞におけるヒートショックの影響:肝細胞由来Hsp70を検出するため、抗ウシHsp70マウスモノクローナル抗体(Sigma)を用いた。予備実験として、コントロール(18℃)、+5℃、+10℃および+15℃で2時間のヒートショックを培養肝細胞に与えHsp70の発現を調べたところ、発現量は+10℃で最大となり+15℃ではコントロールレベルより減少した。またヒートショツク温度の上昇に伴い細胞障害の程度は増大し、+15℃ではコントロールに比べ2倍以上となった。(3)アスタキサンチン(ASX)添加が肝細胞Hspの発現に及ぼす影響:低濃度のエタノールに溶解したASXをL-15培地に添加しその中で肝細胞を培養した。その結果、添加細胞ではHsp70の発現量がコントロールに比べ増加した。一方、添加細胞における細胞障害は認められなかった。今後はASXの添加濃度と発現量の関係および他のHsp発現に及ぼす影響等を検討する必要があると思われる。
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Research Products
(1 results)